地図ならびに地理作品展

第51回(平成24年) 広島地区 主催:広島県地理作品展運営委員会

作品展の概要

「地図ならびに地理作品展」は、小・中・高・特別支援学校の児童生徒に地図ならびに地理作品の制作を通して、地図に対する正しい理解を持たせると共に、それを活用する能力を身につけさせることを目的に、毎年9月に開催されています。

作品:初めての北アルプス 白馬岳

国土地理院中国地方測量部長賞

作品名:「初めての北アルプス 白馬岳」

受賞者:広島大学附属小学校 3年 奥原櫻子

作品主旨:あそ、三べ山に続いて三年目の今年、私が夏に行った山は白馬岳、初めての北アルプスでした。まず地図を見て白馬岳の場所や地形を知り、その日の行動予定を立てました。そして、さく花のかんさつはもちろん、今年は低地と高地のちがいについて調べました。つらい事、しんどい事もあったけど、そこに行き、たどり着かなければ見る事の出来ない自ぜんやぜっけいがある事を私は知りました。そんな白馬岳登山をまとめました。


作品:伊能忠敬になってみよう(どう線法を使った小己斐島池の測量)

国土地理院長賞

作品名:「伊能忠敬になってみよう(どう線法を使った小己斐島池の測量)」

受賞者:広島市立南観音小学校 4年 渡辺陸土

作品主旨:地図の本で伊能忠敬の地図づくりがとても大変な作業だったのをしり、ぼくも伊能忠敬になって地図をつくってみたいと思いました。小己斐島池というとても小さな池にもかかわらず、とても大変な作業でした。あらためて、日本全国を歩いて測量した伊能忠敬はすごい人だなと思いました。


作品:わたしの町のセーフティマップ

広島市長賞

作品名:「わたしの町のセーフティマップ」

受賞者:広島市立青崎小学校 6年 熊谷彩

作品主旨:備蓄品や日用品が、高潮時に浸水してしまう場所に保管されていることが判り、移動の必要性を強く感じました。また、要援護者利用施設からは高潮時の避難所は距離も遠く、坂道があるため地域の方との連携が大切と思います。そのため、学校内の避難訓練にとどまらず、学区全体での避難訓練が必要なのではないかと考えます。公衆電話・AED・車イス用トイレ・災害時のサイレンも調べました。地域の防災に役立つとうれしいです。


作品:矢野の史跡

広島県知事賞

作品名:「矢野の史跡」

受賞者:広島市立矢野南小学校 6年 土肥伸太郎

作品主旨:社会の授業で「矢野の歴史探険」をした時、ぼくは初めて自分の住む町に古代の遺跡が残っていると知りとても感動しました。そこで矢野の歴史や遺跡についてさらに調べ、マップにまとめてみました。時代とともに変化してきた矢野の町で、姿を変え、失われてきた遺跡や今も残る遺跡が、どこに存在しそれがどんなものだったのかを、一人でも多くの人にわかりやすく伝えることができればうれしいです。


作品:呉市を結ぶ11の橋

日本水路協会賞

作品名:「呉市を結ぶ11の橋」

受賞者:呉市立宮原中学校 1年 大髙響

作品主旨:僕の住む呉市は、平成15年4月に下蒲刈町、16年4月に川尻町、17年3月に音戸町、倉橋町、蒲刈町、安浦町、豊浜町、豊町と合併し、新しい呉市として生まれ変わりました。島々と合併したため、呉市を結ぶ橋は11に増えました。その橋を調べることで、自分の知らない呉市がたくさん発見でき、橋と言ってもいろいろな種類があることが分かり、とても楽しく作品を作ることができました。


作品:僕の町 宮原

国土地理院中国地方測量部長賞

作品名:「僕の町 宮原」

受賞者:呉市立宮原中学校 1年 髙橋爽

作品主旨:僕は昨年の冬、宮原3丁目から10丁目に引っ越しました。宮原1丁目から13丁目までに加え、室瀬・神原・青山・船見町などがある宮原地区で、知らない所がたくさんありましたが、この地図を製作し、宮原地区のいろいろな発見がありました。バス道路と上道路、上道路よりさらに一つ上道路では、気温の違いがあり、夏でも少し涼しさがありました。1丁目、神原町、13丁目と高い所からの景色は、海がキラキラと光り、とてもきれいでした。歴史の見える丘には、子規句碑などもあり、身近なところにいろいろな歴史があるんだなと思いました。13年この宮原で生きてきましたが、宮原は歴史ある良い町だと改めて思いました。


作品:洪水ハザードマップ

審査員特別賞・国土地理院長賞

作品名:「洪水ハザードマップ」

受賞者:広島大学附属東雲中学校 3年 中村綾花

作品主旨:昨年、東日本大震災が起きました。その死者・行方不明者が二万人にも上った大半の原因は、「津波」でした。それから日本は、「津波」への知識や備えを蓄えるようになりました。しかし同じ水の被害である「洪水」への意識はまだまだ低いままでした。そこで私は、みんなに「洪水」の恐ろしさや被害の大きさを伝え、関心を持ってもらおうと思い、このハザードマップを作ることにしました。今回は“「洪水」の被害”という一点に絞って詳しく調べてみました。やはり広島県南部はほとんどの地域が「洪水」の被害を受けることが分かり、改めて「洪水」の恐ろしさを実感しました。このマップを見て下さった人の「洪水」への関心が、少しでも高まってくれればいいな、と思います。


作品:東日本大震災における釜石市の津波の被害

国土地理院長賞

作品名:「東日本大震災における釜石市の津波の被害」

受賞者:ノートルダム清心中高等学校 1年 大谷雛瑚、熊谷春佳、蔵田みづき

作品主旨:2011年3月11日、東日本大震災が日本を襲いました。私達は被災地の中で「釜石の奇跡」で有名になった岩手県釜石市について調べました。釜石市はリアス海岸が発達していて津波の被害が拡大しやすい地域です。しかし、釜石市には古くから「津波てんでこ」という言いつたえがあり、また、群馬大学の片田敏孝教授がこの地域の小中学生に徹底して災害対策教育をしたこともあり、被災者を大幅にくい止められたそうです。この入り江と岬の多い地形を3人で力を合わせて作成し、最新の情報を図書館で調べました。こうした経験を通して、私達は「災害」が身近なものであり、理解を深めることが出来ました。


作品:地図で遡る広島市の歴史

広島県測量設計業協会賞

作品名:「地図で遡る広島市の歴史」

受賞者:広島県立広島皆実高等学校 2年 田中耀理

作品主旨:私が通う広島皆実高校の近くに、大正2年に竣工された煉瓦造りの被爆建物『旧広島陸軍被服支廠』が保存されています。現在は使用されていないこの建物が軍用施設として役割を果たしていた時代、広島はどのような町だったのか、更に江戸時代まで遡り、6枚の地図に広島市の変遷を表しました。作成を進めるうちに、先人が苦労して築いた平和都市広島の願いを未来へ、そして世界へ繋げたいとの思いが、今まで以上に強くなりました。


作品:広島の地域に伝わる話

広島県教育委員会賞

作品名:「広島の地域に伝わる話」

受賞者:広島県立広島西特別支援学校 高等部 3年 木村理子、波田紗穂

作品主旨:私たちは広島県内の民話・伝承などを調べました。最初は「世界の民話・神話」を調べるつもりでしたが、広島県だけでも400から500の民話や伝承があることに驚くとともに、興味を持ちました。そこで、広島県の地図の中に、民話や伝承の内容ごとに色分けをして分布図を作成しました。民話や伝承の内容は、どれも地域独特のものですが、人の生き方や暮らしにためになるものがほとんどです。この研究を通して分かったことは、島ならば海に関する伝説が多い、狐に関する話は街に多い、弘法大師に関する伝承は山間部に多いこと等です。また、地域が離れていても、狐や河童に関する話のように、同じような民話・伝承が残っている場所が複数あったことが面白いと思いました。作品を制作するときには、古い本や資料に出てくる地名と現在の市町名が、合併などによって大きく異なっていて、現在の地図の中からその場所を特定するのに苦労しました。