児童・生徒の地図作品展

第26回(平成30年) 徳島地区 主催:徳島地理学会

作品展の概要

「児童・生徒の地図作品展」は、徳島県内の小・中・高の児童生徒が作成した地図類を募集し、優秀な作品を展示して、地理教育・地図教育の発展を図ることを目的に毎年11月末から12月初めに開催されています。

作品:公園のブランコに乗れる確率が高い小学校区はどこか

奨励賞/国土地理院長賞

作品名:公園のブランコに乗れる確率が高い小学校区はどこか

受賞者:徳島県立小松島高等学校 2年 清田 創介

作品主旨:ブランコの席数はその公園の遊具がどれだけ充実しているかの指標となり、さらにその公園がある学区の児童数で割れば、ブランコに乗れる確率、つまりそのエリアがどれだけ子育てに向いているかが分析できると考えました。調査の結果、中心地ではブランコ数は多いものの、児童数も多いために乗れる確率は高くならないということがわかり、一方、外縁部では確率が高くなり、子育てしやすい環境であることがわかりました。


作品:しゅん工標から考える鳴門西地区のまちづくり

国土地理院長賞

作品名:しゅん工標から考える鳴門西地区のまちづくり

受賞者:鳴門市立鳴門西小学校 5年 池脇 菜央

作品主旨:昔、鳴門西地区は製塩業で栄えました。昭和40年代に廃塩田が埋め立てられ、住宅地になりましたが、くわしいことは知りませんでした。ある日、護岸のしゅん工標を見つけ、これを調べれば、この町がいつどのように作られたか分かるのではないかと思い、調べました。国土地理院ウェブ空中写真で昔と今の地形を比べ、地形が違う所を中心にしゅん工標を探しました。写真撮影場所を記録して、後で正確に地図にしていくのに苦労しました。


作品:小松島市で歯科医院を開業するならどこがいいか

(一財)日本地図センター理事長賞

作品名:小松島市で歯科医院を開業するならどこがいいか

受賞者:徳島県立小松島高等学校 2年 前田 夢翔

作品主旨:職場体験で「徳島県はコンビニより歯科医院の方が多い」と歯科衛生士の方から聞き、徳島県にはこれ以上歯科医院を開業する場所はないのではないかと疑問に思いました。そこで、エリアは小松島市内と限定的ですが、新規開業候補地となる場所をシミュレーションしてみました。その結果、まだ開業できる場所があることわかりました。情報をレイヤーに分けて表示するのは大変でしたが、気になっていたことを知ることができました。


作品:私の町 津乃峰町 知っておこうよ 避難場所

(一財)日本地図センター理事長賞

作品名:私の町 津乃峰町 知っておこうよ 避難場所

受賞者:阿南市立津乃峰小学校 5年 谷本 莉乃

作品主旨:私の住んでいる町,津乃峰町はとても海に近いところにあります。そのため,大地震が起こると津波が来る恐れがあります。津波が来ると町内の多くの場所が水に浸かってしまいます。今,私たちは学校や地域で,避難訓練を重ね,防災マップを制作するなど,防災について熱心に学んでいます。私はこの作品で,津乃峰町の避難場所を多くの人々に分かりやすく知ってもらいたいと思いました。


作品:徳島の地域医療MAP

国土地理院四国地方測量部長賞

作品名:徳島の地域医療MAP

受賞者:鳴門教育大学附属中学校 2年 吉岡 瞭吾

作品主旨:徳島県でも人口減少が問題になっています。過疎化地区での医療体制が気になり調べてみたところ,過疎化地区でも人口あたりの医師数は増加しており,へき地地区への医師派遣体制も確立されつつあることがわかり,心強く思いました。これらのことをわかりやすく伝えるために作成したのがこの地図です。矢印を使うことで,中心地区からへき地への医師派遣の流れを一目で把握できるようになったと思います。


作品:鳴門塩業の土地の過去から現在までの比較

徳島地理学会長賞

作品名:鳴門塩業の土地の過去から現在までの比較

受賞者:徳島文理中学校 1年 林 正太郎

作品主旨:幕末から戦後まで、僕の家では、亡くなった曾祖母の代まで、現在住んでいる鳴門の撫養町で塩田を行っていた。家の周囲がどのように変化したのかを調べてみようと思い、祖父母の家で資料を探してみた所、地図や写真、そして、その当時使用していた道具などが見つかった。僕の家の周囲に塩田を行っていた形跡は全く残っていないが、先祖が代々この地で塩田を行っていた事実を伝え、忘れてはならないと、作品製作を通じて強く思った。


作品:みなさんは眉山が眉に見えますか

GIS奨励賞

作品名:みなさんは眉山が眉に見えますか

受賞者:徳島文理中学校 1年 村上 玲奈

作品主旨:「眉のごと 雲居に見ゆる阿波の山 懸けて漕ぐ船 泊まり知らずも」万葉集 巻6ー998 徳島のシンボルである眉山の名前の由来となったこの歌を知った時、私は「本当に眉山は眉の様に見えるのか」という事を疑問に思いました。そして、実際に調べてみて「歌を詠んだ船王は阿波に来ていなかった、そうなら眉に見えたのは別の山の可能性があるかも」等の新たな疑問が生まれ、とても楽しく調査することができ、徳島がもっと好きになりました。