最終更新日:2023年3月28日

三角点とは

三角点は、山の頂上付近や見晴らしの良いところ、利用や保全に適した公共施設の敷地内等に設置され、緯度・経度が正確に求められています。明治時代に全国の地図作成のために設置したことが始まりで、その後も、道路の建設・都市の開発等の公共事業に必要な位置の基準として利用されてきました。

三角点の種類

三角点は、全国を一様な相対精度と密度で覆うため、階層構造のネットワーク(網)を形成しました。 網を形成する三角形を、大(一等)、中(二等)、小(三等、5万分1地形図作成に必要な密度)と順次作り、まずは一等三角網で日本列島の大枠の測量を実施し、近隣の一等三角点から二等、三等三角点の位置を決めていきました。

基線長が長い一等三角点同士の測量には、より高精度な測量機器と厳しい観測制限を用い、距離が短くなるに従い、観測の制限を緩和することで、末端の三角点の相対精度も上位の三角点と同じ10cmレベルに統一しており、利用者側からは一等~三等三角点に精度等の違いはありません。
三角点の平均距離・設置数
等級 一等 二等 三等 四等
三角点間
平均距離
本点 45km
補点 25km
8km 4km 1.5km
設置数 973点
(補点を含む)
約5,000点 約31,600点 約71,000点

※四等三角点は国土調査(地籍測量)のため、昭和以降に自治体の要望に応じて設置。なお、明治~大正期の三角測量にも図根測量のために測量された四等三角点や五等三角点はありましたが、これらは散発的なものであり、永久標識(三角点の柱石・盤石)は設置されませんでした。現在の用途での設置とは異なるものです。


一等~三等三角点網のイメージ

三角点には、花崗岩等の丈夫な石材でできたもの(標石)と真鍮又はステンレスでできたもの(金属標)があります。三角点の十字の中心が、その三角点の緯度・経度を示しています。

一等三角点標石
一等三角点 標石
一等三角点金属標
一等三角点 金属標