日本経緯度原点

日本経緯度原点は、日本における地理学的経緯度を決めるための基準となる点であり、測量法施行令(昭和24年政令第322号)第2条第1項において、その数値が定められています。

日本経緯度原点の概要

1892年(明治25年)に東京天文台の子午環の中心を日本経緯度原点と定めました。
その後、1923年(大正12年)の関東大地震により、子午環が崩壊したため、日本経緯度原点の位置に金属標を設置しました。
2001年(平成13年)に測量法が改正され、測量の基準として世界測地系を採用することになり、金属標の十字の交点が日本経緯度原点の地点となりました。原点の経度、緯度及び方位角の数値は、VLBI、GNSS等の宇宙測地技術を用いて定めたものです。
さらに、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響による地殻変動が観測されたため、2011年(平成23年)10月21日に、次の数値に改定されました。

    経度 東経 139°44′28.8869”
    緯度 北緯  35°39′29.1572”
    原点方位角  32°20′46.209”
    (つくば超長基線電波干渉計観測点に対する値)
日本経緯度原点

主な出来事

日本経緯度原点の主な出来事
西暦 和暦 記事
1892年 明治25年 東京天文台子午環中心を経緯度原点と定める(陸地測量部)
  緯度 北緯35°39′17.5148″
  経度 東経139°44′40.0970″
1918年 大正7年 経度値の変更(+10.405”)大正7年9月19日 文部省告示號外
  経度 東経139°44′40.5020″
1923年 大正12年 関東大震災により子午環破損
 (原点値は不動としているため、地震による原点値の変更は行われなかった)
1959年 昭和34年 子午環脚部周囲をコンクリート舗装したモニュメントを設置
2002年 平成14年 世界測地系移行に伴い原点数値を改正
  緯度 北緯35°39′29.1572″
  経度 東経139°44′28.8759″
2011年 平成23年 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の地殻変動による原点数値の改正
  経度 東経139°44′28.8869″ (緯度の変更なし)
1923年~1959年(大正12年~昭和3年) 補修前の日本経緯度原点
1959年(昭和34年) 補修後の日本経緯度原点