ジオイドとは

ジオイド

 水は、高さが高いところから低いところに流れます。

 地図に記される高さ(標高)は、水道などのインフラ整備や、津波、洪水等から命を守る上でとても大切な情報です。

 実は、この標高は地形の起伏だけでは決められません。

 平らに見える地表面でも、重力の分布が一様でなければ、水は流れます。

 そのため、正確な標高を知るためには、見た目の高さ(地形の起伏)に加えて、重力の分布も把握する必要があります。

標高、重力、ジオイドの関係のイメージ図

標高、重力、ジオイドの関係(イメージ図)


 日本の標高の基準は、測量法で平均海面と定められています。

 この平均海面を仮想的に陸地へ延長した面をジオイドといいます。

 国土地理院では、重力データなどを使用して、地球を仮想的に表した楕円体の表面からジオイドまでの高さ(ジオイド高)を決めています。

 衛星測位で決まる高さ(楕円体高)からジオイド高を引くことで、簡単に標高を求めることができます。

※この楕円体は、測量法第11条新規タブ表示第3項において、下記の第一号から第三号の要件を満たす扁平な回転楕円体と定められています。

 一 その長半径及び扁平率が、地理学的経緯度の測定に関する国際的な決定に基づき政令で定める値であるものであること。

 二 その中心が、地球の重心と一致するものであること。

 三 その短軸が、地球の自転軸と一致するものであること。

楕円体高、ジオイド高、標高の関係


全球のジオイド高。水平方向に対して鉛直方向を1万倍に誇張。千島海溝や日本海溝に凹みが見える。