航空重力測量

空から重力を測る

航空重力測量の概要

 航空重力測量は、計画・準備、航空機による測定、解析作業、の三段階の作業からなります。
 計画・準備では、飛行計画の設定及び航空機による測定に使用する飛行場に基準となる重力点を設置します。航空機による測定では、航空機に航空重力計を搭載し、上空から重力を測定します。解析作業では、航空機による測定で得られた位置情報データの解析を行い、それを元に重力データの解析を行います。

使用機器

航空重力計

 航空機に搭載する重力計として、Micro-g-LaCoste社製 TAGS-7 TURN-KEY AIRBORNE GRAVITY SYSTEMという相対重力計を使用します。
航空重力計TAGS-7 航空機内に設置されたTAGS-7
航空重力計TAGS-7 航空機内に設置されたTAGS-7

GNSS/IMU

 GNSS受信機で、航空機の位置(緯度・経度・楕円体高)を測定します。ジャイロスコープはIMU(慣性計測装置)と呼ばれ、航空機の姿勢を測定します。これらの値から航空重力計の位置を求めます。
GNSS/IMU 航空機に設置されたアンテナ
GNSS/IMU 航空機に設置されたアンテナ

計画・準備

飛行計画

 航空機による測定は、複数の飛行場を起点とし、全国をいくつかのブロックに区分して測定を行います。

ブロック区分及び実施年度(2020年3月時点)


飛行場への重力点の設置

 各飛行場に、航空重力測量の起点となる重力点を設置します。ほかの航空機の離着陸による振動や風圧が重力の測定に影響を与えないように、設置作業は飛行場を使用していない夜間などに行います。

飛行場における重力の測定の様子


航空機による測定

 航空機による測定では、航空機に航空重力計を搭載して上空から重力を測定します。合わせてGNSSや加速度センサー、ジャイロスコープにより航空機の位置や加速度、姿勢を測定し、飛行高度、加速度、機体の傾斜、地球自転による遠心力の効果(エトベス効果)等の影響を補正して最終的な地上の重力値を決定します。航空機による測定で得られる重力データは飛行場に設置した重力点を参照点とし、航空機の位置測定時の基準には電子基準点を使用します。

航空機による測定のイメージ


測定条件

 航空機が飛行し、重力を計測する経路を「測線」と呼びます。「主測線」は重力データを測定することを目的とした測線で、「副測線」が主測線の観測データを確認するための測線です。航空機による測定は、以下の条件を標準として作業を行います。

コース間隔:主測線10km、副測線約100km毎
沿岸域 :沖合40km
測定高度 :3,000m、中部山岳地帯は5,000m
飛行対地速度 :250km/h
使用機体 :セスナ208型相当

航空機による測定の条件


測定作業の様子

 航空機による測定時にはパイロット及び測定者が航空機に搭乗します。測定者は測定する測線をパイロットに指示し、測定機器の操作を行います。また測定中は機器の状態を定期的に確認し、体感した航空機の揺れを時刻とともに記録します。
 搭乗者は上空3,000mを超えると酸素マスクをつけ作業を行います。
上空における航空機内の様子 測定者の作業の様子
上空における航空機内の様子 測定者の作業の様子

解析作業

GNSS/IMU解析

 航空機による測定で得られた位置情報データをもとにGNSS/IMU解析を行います。解析手法は後処理キネマティック解析で、電子基準点データを用いて基線解析を行います。

重力解析

 GNSS/IMU解析による得られた位置情報データ、航空機による測定により得られた重力データをもとに、位置情報と重力値の時刻を同期し、各補正を行い最終的な重力データを計算します。

検定線おける検証

 航空重力計の動作確認や取得されたデータの再現性の確認は、検定線と呼ばれる測線を利用します。検定線は約170kmの直線で、その一部は、500mおきに地上の重力値が測定されています。
 1年に1度、検定線上を東西両方向から複数回測定し、地上重力値と比較して、航空重力計の点検を行います。
検定線 地上における重力の測定
検定線 地上における重力の測定