平成17年9月~10月の地殻変動について
発表日時:2005年11月8日(火)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGPS連続観測網の観測結果から求めた9月中旬から10月中旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。特に目立った変動は見られません。
トピックス
- 牡鹿半島では、8月16日に宮城県沖で発生した地震(マグニチュード7.2)の後、わずかな余効変動が継続しています。 (別紙8[PDF形式:127KB])
- 浅間山周辺の基線では、昨年10月後半以降、ゆるやかな山体の膨張を示す伸びが観測されていましたが、最近は伸びの傾向が鈍化したように見られます。 (別紙10[PDF形式:172KB])
- 東海地域とその周辺では、プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる長期的な地殻変動が依然継続していますが、最近やや緩和する傾向が認められます。 (別紙11[PDF形式:107KB], 別紙12[PDF形式:54KB], 別紙13[PDF形式:181KB], 別紙14[PDF形式:94KB])
- 阿蘇山を取り囲む基線では、2004年後半頃から山体の膨張を示すわずかな伸びが観測されていましたが、最近では伸びが停滞しているように見えます。 (別紙15[PDF形式:160KB])
この観測結果から、本震の震源域周辺でわずかな余効滑りが続いていると推定されます。
(別紙9[PDF形式:63KB])
問い合わせ先
国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 測地観測センター 地震調査官 畑中 雄樹 (029-864-4825) 地理地殻活動研究センター 地理地殻活動総括研究官 村上 亮 (029-864-2477) 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 今給黎 哲郎 (029-864-6925)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2004年10月中旬から2005年10月中旬まで、別紙16)[PDF形式:63KB]
- 北海道に見られる変動は平成15年(2003年)十勝沖地震後の余効変動、並びに昨年11月29日及び12月6日に発生した釧路沖の地震によるものです。また、昨年12月14日の留萌支庁南部の地震に伴う地殻変動が北海道北西部地域に見られます。
- 東北地方では、8月16日の宮城県沖の地震の影響が見られます。
- 新潟県及びその周辺では、昨年10月23日に発生した平成16年(2004年)新潟県中越地震に伴う地殻変動が見られます。
- 福岡県及びその周辺では、3月20日に発生した福岡県西方沖の地震に伴う地殻変動が見られます。
- 硫黄島の変動ベクトルは、島内の地殻変動を表しています。
- その他の地方では、プレート運動による定常的な変動が見られます。