最終更新日:2021年6月28日

2021年5月21日 中国青海省の地震に伴う地殻変動

合成開口レーダー(SAR)解析によって明らかとなった地殻変動


作成:2021年5月25日、更新:2021年5月26日、更新:2021年6月8日、更新:2021年6月28日English version of this page

概要

2021年5月21日(UTC)に中国・青海省でM7.3(USGS)の地震が発生しました。日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用してSAR干渉解析を行いました。得られた結果は以下の通りです。
  • 顕著な地殻変動が東南東―西北西方向の帯状に分布しています。
  • 最大で1mを超える変位の不連続が見られます。不連続は変動域の西側では既知の活断層に沿って見られ、東側では既知の活断層から北側に分岐した東延長上に見られます。地表地震断層が現れた可能性があります。
  • 変動域の北側では地面が衛星から遠ざかり、南側では衛星に近づいています。(図1)
  • 変動域の北側では地面が衛星に近づき、南側では衛星から遠ざかっています。(図2、3)

SAR干渉解析結果

図1. 標準的な解析手法による干渉画像。干渉縞が密な領域は大きな変動があったことを示します。

図1. 標準的な解析手法による干渉画像。干渉縞が密な領域は大きな変動があったことを示します。 [PNG: 1.30MB]


図2. 衛星-地表視線方向の変位量分布。衛星視線方向の帯域分割を利用した特殊な干渉解析 (Jiang et al., 2017)により算出。断層線はStyron et al. (2010)より。

図2. 衛星-地表視線方向の変位量分布。衛星視線方向の帯域分割を利用した特殊な干渉解析 (SBI(Split-bandwidth Interferometry))(Jiang et al., 2017)により算出しました。(※1)
断層線はStyron et al. (2010)より。 [PNG: 1.37MB]


※1:標準的な干渉SARより空間勾配の大きな変位に対する干渉性低下の影響を受けにくく、大規模な変動を検出しやすい特徴があります。ただし、計測精度は標準的な手法より劣ります。
図3. 標準的な解析手法による干渉画像。干渉縞が密な領域は大きな変動があったことを示します。

図3. 標準的な解析手法による干渉画像。干渉縞が密な領域は大きな変動があったことを示します。 [PNG: 1.39MB]


図4.解析エリア


番号
観測日 観測時間
(UTC)
衛星
進行
方向
電波
照射
方向
観測
モード
*1
入射角
(震央付近)
垂直
基線長
1 2020/12/04
2021/06/04
5:29頃 南行 W-W
(350km)
40° 173m
2,3 2020/05/25
2021/05/24
17:23頃 北行 F-F
(10m)
37° -196m

*1 F:高分解能(Fine)、W:広域観測(Wide)
(参考: ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA)

解析:国土地理院   原初データ所有:JAXA
本成果は、地震予知連絡会SAR解析ワーキンググループの活動を通して得られたものです。

地震概要

地震発生日時 2021年5月21日18時4分(UTC)
2021年5月22日3時4分(JST)
震源位置 34.586°N、 98.255°E、深さ10.0 km
(USGS、2021年5月25日現在)
マグニチュード M=7.3
(USGS、2021年5月25日現在)
                

分析に使用した人工衛星

日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)

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