「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」に伴う公共測量成果の改定について
公共測量成果の改定について
公共測量成果改定の必要性
このため、地震前に整備した測量成果を後続作業で使用する場合は、現状に合わせるための成果改定をする必要があります。
公共測量成果改定が必要な地域
- 座標・経緯度の成果改定が必要な地域(水平位置)
- 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県
- 座標・経緯度及び標高の成果改定が必要な地域(水平位置・高さ)
- 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県
成果改定の対象となる公共測量成果
地震前に整備した公共測量成果(基準点、数値地図等)で、今後使用するものが対象となります。地域によって変動量が異なりますので、基準点以外の成果改定の対応については、国土地理院までご確認ください。
成果改定の時期
測量計画機関の実情に合わせて成果改定を行う時期を決定します。
ただし、他の公共測量の実施も考慮し、速やかに成果改定を実施する必要があります。
成果改定資料
公共測量成果改定マニュアル(新規ウインドウ表示)
地震などに伴う地殻変動による位置の変化を補正する業務の参考歩掛 [PDF 630KB](新規ウインドウ表示)
積算関係のページ 参考URL:http://www.gsi.go.jp/gijyutukanri/gijyutukanri40004.html
公共測量成果改定の方法
地域による特性や、測量方法により、公共測量成果の改定方法は異なります。
基準点・境界点等の座標値を有する公共測量成果を改定する場合
一般的な地域
地震前から地震後の座標値へ補正するための補正ソフトウェア及び補正パラメータを用いて公共測量成果改定を実施します。
※「PatchJGD HV」及び標高補正パラメータは、水準点には利用できません。
点検測量(基準点間の距離の現地確認)を実施した際の取りまとめには、下記様式をご使用下さい。
点検測量については、こちらのQ&Aを参照して下さい。
公共測量成果改定精度管理表のダウンロード [Excel 13KB](新規ウインドウ表示)
記載例_公共測量成果改定精度管理表のダウンロード [Excel 14KB](新規ウインドウ表示)
局所的な変動が発生している地域
次のような地域は、再測量(改測)が必要になります。
- 地震の地殻変動と整合しない局所的な変動(地すべりや液状化など)が発生している地域
- 市町村合併に伴い旧境界部において、公共測量成果の不整合が見られる地域
基準点の再測量(改測)を実施する場合、すべての基準点の改測を行う必要はありません。
(例1)局所的な変動地域のみを再測量(改測)し、他の地域は補正ソフトウェア及び補正パラメータを用いて基準点成果を改定します。
(例2)上位級の一部の基準点を再測量(改測)し、その結果から補正パラメータを作成します。作成したパラメータを利用して、他の基準点成果を改定します。
(例3)上位級の一部の基準点を再測量(改測)します。他の基準点は過去の観測値をもとに再計算(改算)し、基準点成果をを改定します。
上記のような対応もできますので、公共測量成果改定の際は、国土地理院にご相談ください。
数値地形図を改定する場合
数値地形図を改定する場合は、DM補正ソフトウェア及び座標補正パラメータを用いて数値地形図の座標・経緯度(水平座標)を補正します。座標補正パラメータは、「PatchJGD」で使用するパラメータファイルを使用します。
- DM補正ソフトウェア
- 「PatchJGD」の座標補正パラメータファイルのダウンロード
※DM補正ソフトウェアでは、数値地形図の標高補正はできません。
公共測量成果改定に伴う公共測量の手続
公共測量成果は地域の財産です。届出を行うことで、測量の精度の確保、重複の排除にもつながりますので、必ず下図にあるような届出を実施してください。
また、他の機関から測量成果を使いたいというような連絡があった場合は、使用の許可と同時に、地震の補正を行った測量成果かどうかの情報を相手方に提供してください。そうすることで、正しい公共測量が実施されます。