最終更新日:2026年11月2日

公共測量成果の改定に関するQ&A

公共測量成果の改定に関するQ&A

 地殻変動や基本測量成果(電子基準点、三角点、水準点等の国家基準点の測量成果)の改定などにより、既存の公共測量成果が現況に適合しなくなった場合の成果改定について、測量計画機関等から寄せられた主な質問と回答をまとめたものです。具体的な作業方法は「公共測量成果改定マニュアル(国土地理院技術資料 A1-No.337)」をご覧ください。

1.基本事項について

Q1-1:公共測量成果の改定とは何ですか?
 地殻変動や基本測量成果の改定により、既存の公共測量成果の座標や標高が、現況や最新の基本測量成果と整合しなくなることがあります。
 公共測量成果の改定(成果改定)とは、基本測量成果の改定に合わせて既存の公共測量成果の座標や標高を修正し、現況に適合した成果とすることです。

Q1-2:なぜ、公共測量成果の改定が必要なのですか?
 各種の公共事業は、公共測量成果をもとに計画・実施されます。また、既存の公共測量成果を基準として、新たな公共測量が行われることもあります。
 現況や最新の基本測量成果と整合しない成果を基準に測量しても、正しい成果は得られません。また、基本測量成果に基づいて新たに作成された成果との間で不整合が生じます。そのため、成果改定が必要となります。

Q1-3:どのような場合に成果改定が必要になりますか?
 主に次のような場合に、成果改定が必要になります。
(1)地震や火山活動等による地殻変動で、基本測量成果が改定された場合
 これまでの地震に伴う公共測量の対応は、以下をご覧ください。
 ■地震に伴う公共測量の対応

(2)令和7年度の全国の標高成果の改定(測地成果2024への移行)に伴う場合
 令和7年4月1日に、全国の三角点・水準点等の標高成果が改定されました。このため、既存の公共基準点・公共 水準点の標高も、改定後の標高に合わせて改定する必要があります。詳細は、以下をご覧ください。
 ■令和7年度 電子基準点、三角点、水準点等の標高改定に伴う公共測量における対応について

Q1-4:すべての公共測量成果を改定する必要がありますか?また、成果改定を実施する適切な時期はありますか?
 既存の公共測量成果のすべてを改定する必要はありません。成果改定の対象となるのは、次の公共測量成果です。
・現在使用するのに支障があるもの
・今後使用する予定があるもの
 対象となる成果の例は、基準点、水準点、数値地形図、地形図、応用測量成果等です。成果改定が必要かどうか判断に迷う場合は、国土地理院各地方測量部にご相談ください。
 成果改定の時期については、他の公共測量の実施予定も考慮し、速やかに実施することをお薦めします。ただし、最終的には、測量計画機関の実情に合わせて適切な時期を決定してください。

2.公共測量の手続について

Q2-1:成果改定に関してどのような手続が必要ですか?
 公共測量成果の改定は公共測量に該当するため、測量法に基づき次の手続等が必要です。
・国土地理院に公共測量実施計画書を提出し、技術的助言を受けてください。
・成果改定完了後は、測量成果の写しを国土地理院に提出してください。
 公共測量成果は地域の財産です。手続を行うことで、測量の精度の確保や重複の排除につながり、精度が確保された成果を引き続き利用できます。必ず手続を行ってください。
 詳しくは「公共測量を実施するために必要な手続の解説」をご覧ください。

Q2-2:公共測量成果改定マニュアルを使用する場合、公共測量実施計画書にはどのように記載すればよいですか?
 公共測量実施計画書の「測量精度」欄に、測量計画機関の作業規程の名称とあわせて、「公共測量成果改定マニュアル」と記載してください。
(記載例)
 ○○市公共測量作業規程
 公共測量成果改定マニュアル(作業規程第17条適用)
 ※条番号は、各機関の作業規程の該当条に合わせてください。
 公共測量成果改定マニュアルは、準則第17条第3項に規定する国土地理院が定めたマニュアルです。準則に定められていない作業方法を使用する場合でも、このマニュアル名を記載することで、必要な精度が確保されることの確認資料として扱うことができます。
 記載例の詳細は、「公共測量の手引」をご覧ください。

3.基準点・水準点(座標値・標高値を有する成果)の改定について

Q3-1:基準点・水準点の成果改定にはどのような方法がありますか?
 成果改定の方法には、大きく分けて次の2種類があります。
 ■改測
 ■改算
 ・過去の観測値を用いた再計算
 ・補正パラメータを用いた座標補正・標高補正
 補正パラメータが提供されている地域では、補正パラメータを用いた改算が有効ですが、地域の状況によっては適さない場合もあります(Q3-4参照)。
 成果改定の方法を検討する際は、国土地理院各地方測量部にご相談ください。

Q3-2:改測とは何ですか?
 測量標の位置を変えずに改めて測量を行い、その結果に基づいて測量成果を修正することです。
 現地で測量を行うため最も確実な方法ですが、他の方法と比べてコストが高くなります。

Q3-3:改算とは何ですか?
 改測を行わずに、過去の観測値や資料等を用いて計算を行い、測量成果を修正することです。改算には、過去の観測値を用いて再計算する方法と、補正パラメータを用いる方法(Q3-4参照)があります。
 過去の観測値を用いて再計算する方法では、基準点(水準点)を設置した際に既知点とした基準点(水準点)の座標(標高)を改定後の値に入れ替えて再計算し、改定後の座標(標高)を求めます。
 改算は、計算によって適切に修正できることを確認したうえで行います。変動が一様でない地域では、改算が適さないこともあります。

Q3-4:補正パラメータを用いた改算とは何ですか?
 改算の一手法で、国土地理院が提供する補正パラメータを用いて計算を行い、既存の成果の座標(標高)を改定後の値に修正する方法です(作業規程の準則第101条第4項及び第102条第4項)。座標を修正するものを座標補正、標高を修正するものを標高補正といいます。
 現地での測量に加え、過去の観測値を用いた再計算も必要としないため、迅速かつ経済的に成果改定を行うことができます。

■補正パラメータとは
 国土地理院が電子基準点、三角点及び水準点の再測量の結果をもとに、地殻変動量、測量時期の違いによる不整合の補正量、ジオイド・モデルの改定に伴う標高補正量、電子基準点楕円体高の改定に伴う標高補正量等をグリッド化して構築したファイルです。
 なお、水準点の標高補正には、水準点用の標高補正パラメータを使用します。

■局所的な変動が発生している地域の場合
 地すべりや液状化など、周辺と異なる局所的な変動が発生している地域では、補正パラメータを用いた座標補正・標高補正が適さない場合があります。このような地域では、改測が必要となることがあります。

Q3-5:補正パラメータを用いた改算を実施した場合の点検測量(実測)は必要ですか?
 補正パラメータにより得られた座標(標高)は、基準点(水準点)を直接測量して求めた値ではありません。そのため、精度を確認するための点検測量を行います(点検測量率5%)。
補正の対象 点検の方法
基準点の座標 隣接する基準点間の水平距離を観測し、補正後の座標から計算した距離と比較します。隣接点として電子基準点も使用できます。
基準点の標高 補正した基準点に隣接する上位級の基準点1点以上との比高を観測し、補正後の標高から計算した比高と比較します。
水準点の標高 原則として直接水準測量(片道検測)により、隣接する水準点間の比高を観測し、比較します。
・点検結果は「公共測量成果改定精度管理表」にとりまとめます。
・計画機関が指示または承認した場合は、点検測量を省略できます。

4.地形図及び数値地形図の改定について

Q4-1:地形図(紙地図)及び数値地形図の成果改定には、どのような方法がありますか?
 ■数値地形図の場合
 数値地形図はデータそのものが座標を持つため、紙地図のように四隅だけでなく、すべてのデータについて座標補正を行う必要があります。国土地理院が提供する「数値地形図補正ソフトウェア(DM補正ソフトウェア)」と座標補正パラメータを用いることを標準とします。
 この方法では図郭四隅も移動し、標準的な図郭割とは異なるものになります。そのため、将来的に図郭の切り直しや図郭間の整合処理が必要になる場合があります。

 ■地形図(紙地図)の場合
 次の3種類の方法があり、利用目的に合わせて選択します。
 ・図郭四隅及び方眼線の座標を修正する方法
 ・図郭四隅の座標及び方眼線の位置を修正する方法
 ・図郭割を変更する方法
 いずれも、図郭等の座標を座標補正パラメータを用いて修正します。

Q4-2:図郭、図郭割とは何ですか?
 図郭は地図表現内容を取り囲む範囲、すなわち地図の描かれている部分のことです。
 図郭割とは、地図の描かれる範囲を区切るルールを定めたもので、通常はXY座標又は緯線経線を一定の基準で定めています。

Q4-3:図郭四隅及び方眼線の座標を修正する方法とは何ですか?
 図郭四隅と方眼線の座標値(経緯度の数値)を、座標補正パラメータを用いて求めた値に修正し、図郭線の外側に記載してある数値を書き換える方法です。
 図郭四隅の座標値は通常きりのよい数字ですが、修正によって端数が付きます。そのため、標準とは異なる図郭割になります。

Q4-4:図郭四隅の座標及び方眼線の位置を修正する方法とは何ですか?
 図郭四隅の座標値を修正したうえで、方眼線を座標値に端数の付かない正しい位置に引き直す方法です。

Q4-5:図郭割を変更する方法とは何ですか?
 成果改定前の図郭割を、現況に適合した標準的な図郭割に作り直す方法です。
 地形図をスキャナで数値化して隣接図とつなぎ合わせ、現況に適合した図郭割で地形図を作成します。数値化を行わず、写真処理や透写製図によって作成する方法もあります。

5.応用測量成果について

Q5-1:応用測量成果はどのように改定すればよいでしょうか?
 路線測量、河川測量、用地測量等の成果は、成果の形態に応じて次のとおり改定します。
成果の形態 成果改定の方法
境界点等の座標値を有する成果 基準点と同様の方法で改定します。
数値地形図データファイル仕様に基づく図面 数値地形図と同様の方法で改定します。
紙地図・図面 地形図と同様の方法で改定します。

6.積算基準について

Q6-1:成果改定に関する積算基準はありますか?
 参考資料として、「作業規程の準則及び公共測量成果改定マニュアルに基づいて実施する地震などに伴う地殻変動による位置の変化を補正する業務の参考歩掛」を作成しております。
 詳細については、国土地理院各地方測量部にお問い合わせください。
 なお、他の公共測量の歩掛と異なり、工種毎に必要な技術者の人日数等を積み上げて作成したもので、十分な実態調査に基づいたものではありません。
 そのため、積算の際の参考資料としてご利用ください。
 ■地震などに伴う地殻変動による位置の変化を補正する業務の参考歩掛

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