最終更新日:2019年12月12日

2019年12月9日ニュージーランド・ホワイト島火山の噴火

合成開口レーダー(SAR)データの分析結果

作成:2019年12月12日 English version of this page

概要

2019年12月9日にニュージーランドのホワイト島で噴火が発生しました。この噴火に関して、地殻変動等を把握するため、日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して画像の分析を行いました。

これまでの解析により、以下のことがわかりました。
  • カルデラ内に噴出物の影響等とみられる地表面の変化が見られる。カルデラ外では変化は見られない。(図1、2)
  • 噴火前後では明瞭な地表変位は見られない。(図3)
  • 噴火より前に、山頂付近でごくわずかであるが地表変位が見られる。GNSS観測により2019年3月から11月の間に約1-2cmの沈降が観測されており、それと整合的である。(図4)

※GNS scienceによる山頂部のGNSS観測結果 http://fits.geonet.org.nz/plot?siteID=RGWI&typeID=u&days=330

SAR強度画像

SAR強度画像(噴火前) SAR強度画像 (噴火後)
図1.SAR強度画像の比較 (左:噴火前、右:噴火後)[PNG:347KBPNG:351KB]
(SAR画像の性質のため、実際の地形からゆがんでいます。)


SAR強度画像の比較アニメーション
図2.SAR強度画像の比較アニメーション[アニメーションGIF:1.4MB]
(SAR画像の性質のため、実際の地形からゆがんでいます。)

SAR干渉画像

噴火前後のSAR干渉画像
図3.噴火前後のSAR干渉画像[PNG:181KB]


噴火前のSAR干渉画像
図4.噴火前のSAR干渉画像[PNG:190KB]

解析条件

解析範囲
図5.解析範囲
図番号 観測日 観測時間
(UTC)
衛星進行方向 電波照射方向 観測モード* 入射角
1、2,3 2019-11-13
2019-12-11
12:54頃 北行 F 36°
2019-03-06
2019-11-13
12:54頃 北行 F 36°
* F:高分解能(10 m)
(参考:ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA))


解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA
本成果は、火山噴火予知連絡会衛星解析グループの活動を通して得られたものです。

分析に使用した人工衛星

日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)

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