平成23年3月の地殻変動について

発表日時:平成23年4月8日(金)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGPS連続観測網の観測結果から求めた平成23年2月下旬から平成23年3月下旬の1ヶ月間の地殻変動を表したものです。東北地方太平洋沖地震に伴う非常に大きな地殻変動が北海道から西日本までの広い範囲で見られます。

トピックス

  • 3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)に伴う地殻変動が北海道から西日本までの広い範囲で見られます。さらに、地震後も緩やかな地殻変動が東日本の広い範囲で継続しています。(別紙8)
  • 東北地方太平洋沖地震の前後にも各地で地震が発生しており、3月9日11時45分頃の三陸沖の地震(M7.3、最大震度5弱)(別紙9)、3月12日3時59分頃の長野県・新潟県県境の地震(M6.7、最大震度6強)(別紙10)、3月15日22時31分頃の静岡県東部の地震(M6.4、最大震度6強)(別紙11)、3月19日18時56分頃の茨城県北部の地震(M6.1、最大震度5強)(別紙12)、3月23日7時13分頃の福島県浜通りの地震(M5.8、最大震度5強)(別紙13)に伴う地殻変動が見られます。
  • 硫黄島内の電子基準点「硫黄島1」、GPS機動連続観測点「M硫黄島」では、2010年5月以降隆起の傾向が見られ、2010年11月中旬頃から12月にかけて一時鈍化しましたが、2011年1月末頃から隆起速度が増加しました。電子基準点「硫黄島2」では大きな南向きの地殻変動が見られます。島内基線において東北地方太平洋沖地震に伴った変化が見られます。(別紙14)
  • 霧島山周辺では、「えびの」-「牧園」、「牧園」-「都城2」、「都城2」-「えびの」の基線において、新燃岳で1月26日に噴火が発生して以降、2月1日まで顕著な縮みの傾向が見られました。2月1日以降、「えびの」-「牧園」、「都城2」-「えびの」、「牧園」-「都城2」間ではわずかに伸びの傾向が見られます。(別紙15)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で長期的な伸びの傾向が見られます。桜島島内の「鹿児島2」-「桜島」、「鹿児島3」-「桜島」基線では、2010年初め頃から伸びの傾向が見られていましたが、その傾向が2010年7月頃から鈍化し、現在はほぼ停滞しています。(別紙16)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(平成22年3月下旬から平成23年3月下旬まで、別紙17)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 北海道から西日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 硫黄島の変動ベクトルは、島内の地殻変動を表しています。

別紙一覧

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  主任研究官     西村 卓也 (029-864-6549)
測地観測センター      地震調査官     矢来 博司 (029-864-4825)
測地観測センター      地殻監視課長    吉池 健  (029-864-5971)
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  飛田 幹男 (029-864-6925)

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