空中写真

空中写真について

 空中写真は、測量を目的として航空機から国土を撮影した画像で、現況を忠実に写しています。写された画像は、国土の状況や環境の把握、社会基盤の管理、災害時における被災地域の特定など広範な分野に活用できる、国土の管理に不可欠な基盤的情報です。近年、情報通信技術(ICT)の進展にともない、空中写真を地図と容易に重ね合わせができるオルソ画像として、インターネット上で閲覧できるようになるなど、広く一般の方々に利用されています。
 国土地理院は、国土の適切な管理、保全、利用のため、国土や地域の管理上重要な平野部及び離島を対象として全国土の約半分の地域について、空中写真の撮影を行っています。
 また、空中写真は、国土の変化の履歴を記録している貴重な資料になるとともに、地図を作成または更新する際に欠かせない情報となっています。特に、災害が発生した際、被災地域を撮影した空中写真は、初動対応や被災状況の把握、応急復旧、復興のための重要な資料となります。
 これまでに撮影した国土の空中写真は、1930年代から現在に至るまでの全てを保管しています。国土地理院が撮影したものに加えて、1945年前後に米軍が撮影したものを含め全ての空中写真は、「地図・空中写真閲覧サービス」で閲覧することができます。
空中写真の概要 国土の変化の記録や災害対応・復旧復興支援の資料

空中写真の撮影

 空中写真の撮影は、機体の下部にカメラ孔を設けた測量用の航空機に搭載された航空カメラを撮影士が操作して、雲や霧が写りこまないように晴天の日に行います。
操縦士は、GNSSによる誘導により航空機を計画した撮影コース上に一直線で飛行させ、撮影士が航空カメラを操作します。
 空中写真は、隣り合う写真が重なり合うように撮影しますので、この重複部分では写真を立体的に見ることができます。
 航空カメラにはGNSS/IMU装置『GNSS受信機とIMU(慣性計測装置)から構成され、撮影時のカメラの位置と姿勢を計測する装置』が付属し、撮影した空中写真の外部標定要素(撮影時の位置とカメラの傾き)を記録します。
 受信したGNSS衛星からの測位信号には、電離層や対流圏などを通過する際に生じる誤差やGNSS受信機の時計の誤差などが含まれています。このため、電子基準点などの地上に設置された基準点上で同時に観測されたデータと航空機上のデータ組み合わせて処理するキネマティック解析を行うことにより、これらの誤差を軽減し、高精度な空中写真の外部標定要素を求めています。
空中写真撮影の概要 撮影イメージ

被災地域の緊急撮影について

国土地理院では災害時において、被害状況を正確かつ迅速に収集・把握することを目的に、被災地域の空中写真撮影を行う「緊急撮影」を実施しています。詳細につきましては「空中写真などの被災状況をあらわす情報について」のページをご覧下さい。

地方公共団体との連携について

 国土地理院が提供する「基盤地図情報」の整備・更新を推進するため、地方公共団体等が数値地形図の作成を行おうとする場合、国土地理院が撮影した空中写真や「電子国土基本図(オルソ画像)」を貸与することができます。詳細につきましては「地方公共団体の皆様へ」のページをご覧下さい。

空中写真の入手方法

 撮影した空中写真は、出力印画及び画像データとして販売されております。購入方法の詳細につきましては「地図と空中写真の購入方法」のページをご覧下さい。

空中写真に関するお問合せ

こちらの問合せフォームよりお問い合わせ下さい。