最終更新日:2008年1月11日

「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」の震源断層モデルを更新

 平成19年新潟県中越沖地震の震源断層モデルについては、平成19年7月26日に報道発表を行いましたが、今回、最新の余震分布解析結果及び地殻変動観測データに基づき、震源断層モデルを推定しました。

 地震の際に、長さ約27kmの南東傾斜の断層と長さ約10kmの北西傾斜の断層(震源域北東部)が動いたと考えられます。

 主破壊域の深さは3~12kmです。南東傾斜の断層の主破壊域は震源域南部の余震が抜けている領域に対応します。北西傾斜の断層の主破壊域は、観音岬のすぐ西方沖に位置します。

 なお、この結果は、平成20年1月11日の地震調査委員会へ報告されました。

余震分布と震源断層面上の滑り分布の三次元アニメーション[GIF: 1.16MB]

滑り分布1滑り分布2

前回(平成19年7月26日)との違い

更新または追加された最新の観測データ

  1. 海底地震計及び陸上臨時地震観測による余震分布(東京大学地震研究所が平成19年11月12日の第175回地震調査委員会に提出)を採用しました。これまでの余震分布に比べ、特に深さの精度が大きく向上しました。
  2. 地下構造データ(東京大学地震研究所が平成19年11月12日の第175回地震調査委員会に提出)を追加しました。
  3. 電子基準点によるGPS連続観測データについて、速報解析(R2)から最終解析(F2)に更新しました。違いは小さい。
  4. 水準測量データについて、海岸沿いに加えて柏崎から長岡に至る内陸の路線の上下変動データが追加されました。
  5. 合成開口レーダー(SAR)干渉解析のデータに、西側からの観測データ(6月14日と9月14日)が追加されました。

計算方法の違い

  1. 前回は深さが整合しなかったため、地殻変動データから断層面の位置を推定していましたが、今回は余震分布を代表する平面を断層面と仮定しました。
  2. 前回は矩形断層の一様滑りを仮定した解析でしたが、今回は滑り分布を推定しました。
  3. 地下構造として、前回は均質構造を用いていましたが、水平成層構造を用いることで、震源分布と断層面の深さが整合するようになりました。

添付資料

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番   029-864-1111(代表)
国土地理院地理 地殻活動研究センター
 地殻変動研究室 室長    飛田 幹男 029-864-6925(直通)
 地殻変動研究室 主任研究官 西村 卓也 029-864-6549(直通)
 地理地殻活動総括研究官   宇根 寛   029-864-2477(直通)
問い合わせ先

謝辞

 東京大学地震研究所の金沢敏彦教授より、海底地震計を用いた震源データ及び地下構造データの提供を受けました.ここに記して感謝いたします.

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