平成28年(2016年)10月21日鳥取県中部の地震関連
合成開口レーダー(SAR)によって明らかとなった3次元地殻変動と震源断層モデル作成:2016年10月27日 English version of this page
更新:2016年11月14日 震源断層モデル(矩形断層一様滑りモデル)追加 概要平成28年(2016年)10月21日に鳥取県中部で発生した地震(M6.6)について、日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して地殻変動量の3次元成分の面的分布を明らかにしました。また、干渉SARの結果と電子基準点による地殻変動観測結果から震源断層モデルの推定を行いました。
これまでの解析により、以下のことがわかりました。
※ より詳細な分析等により、今後内容が更新されることがあります。 干渉SAR 3次元解析これまでに、「だいち2号」のデータを使用した干渉SARにより、地震に伴う地殻変動が明らかとなっています。(平成28年鳥取県中部の地震に関する情報)
通常の干渉SARで計測可能な地表変位量は衛星-地表方向の1次元のみですが、3方向以上の独立した結果を利用することで、地表変位の3次元成分(東西・南北・上下)を計算することができます(図2)。今回は、4方向の干渉SARの結果を用いて解析を行いました。 解析の結果である図1は、上下変動の分布に、水平成分をベクトルで重ねて表示したものです。この地殻変動の分布パターンは、北北西-南南東方向に延びる左横ずれ断層運動を強く示唆しています。 ![]() 図1. 干渉SAR 3次元解析によって計測された地殻変動分布 赤は隆起、青は沈降を示す。矢印は地殻変動の水平成分の向きと大きさを示す。 ![]() 図2. 干渉SAR 3次元解析の原理図 4方向から求めた距離の変化量を用いて、最小二乗法で3つの未知数(東西、南北、上下)を求める。 解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA 本成果は、地震予知連絡会SAR解析ワーキンググループの活動を通して得られたものです。 震源断層モデル(矩形断層一様滑りモデル)2016年11月14日更新
干渉SAR及びGNSSで観測された地殻変動から震源断層モデル(矩形断層一様滑りモデル)を推定しました。 北北西-南南東走向の高角の断層が左横ずれ的に動いたと考えられます。 ![]() 図3.GNSSデータの観測値と計算値。 実線は断層の上端位置。星印は震源。灰色点は余震(気象庁一元化震源:2016年10月21日~2016年10月27日)。 ![]() 図4.干渉SAR 画像の(左)観測値、(中)計算値、(右)残差。実線は断層位置。星印は震源。
地震概要
分析に使用した人工衛星日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)
広報・講演・論文発表準備中
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問い合わせ先室長 矢来 博司(YARAI Hiroshi) 029-864-6925
主任研究官 小林 知勝(KOBAYASHI Tomokazu) 029-864-6156 研究官 森下 遊(MORISHITA Yu) 029-864-6549 ![]() |