令和2年8月の地殻変動

発表日時:2020年9月8日(火)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2020年7月中旬から2020年8月中旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
 火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

トピックス

  • GNSS観測によると、2019年中頃から志摩半島で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、最近は停滞しているように見えます。この変動は、志摩半島周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙8)
  • GNSS観測によると、2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。この変動は四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙9)
  • 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙10)
  • 浅間山周辺では、2020年7月頃から、「東部」-「嬬恋」等の基線で見られていたわずかな伸びは、8月上旬頃からほぼ停滞しています。(別紙11)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が、「硫黄島2」では南向きの変動が継続しています。(別紙12)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR解析結果によると、島のほぼ全域で降灰の影響とみられる反射強度の低い領域が見られます。また、火砕丘の火口は、8月14日にかけて拡大が見られ、それ以降は顕著な変化は見られません。なお、海岸線に顕著な変化は見られません。(別紙13)
  • 阿蘇山周辺では、阿蘇山を取り囲む基線で、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙14)
  • 霧島山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「垂水」-「隼人」等の基線でわずかな伸びが見られます。桜島島内の基線の変動は4月頃からほぼ停滞しています。(別紙16)
  • 薩摩硫黄島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙17)
  • 口永良部島では、2020年3月頃から「口永良部島」で見られていたわずかな隆起は、7月頃からほぼ停滞しています。(別紙18)
  • 諏訪之瀬島では、2019年末頃から「十島」で見られていた南東方向の小さな変動は、2020年3月頃から鈍化しています。(別紙19)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(2019年8月中旬から2020年8月中旬まで、別紙20)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

別紙一覧

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  宗包 浩志    (029-864-6925)
測地観測センター      地殻監視課長    仲井 博之    (029-864-5971)
測地観測センター      地震調査官     黒石 裕樹    (029-864-4825)
                               FAX 029-864-8381

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