最終更新日:2019年12月25日

採用担当Facebookアーカイブス~測地観測センター~

【業務紹介:文系なのに技術者?】~国土地理院の技術を支えているのは理系だけじゃありません~

測地観測センター 電子基準点課 大橋さん

2019年9月4日公開→Facebookで見る

こんにちは、電子基準点課 解析係の大橋(H29採用 一般職林学区分)です!

皆さんは道に迷ったとき、スマートフォンでGPS衛星を使って自分の位置を調べたことはありますか?(僕は方向音痴のためしょっちゅうです)国土地理院は、測量や地殻変動監視のため、世界中の人工衛星を使って自分の「正確な位置」を24時間調べている『電子基準点』という観測設備を、北は北海道から南は沖縄県まで全国各地に設置しています。その数およそ1,300か所、皆さんの地元にもあるかもしれません。場所は地理院地図で見られるので、ぜひ探してみてください!(僕の地元にはありませんでした…)

そして、電子基準点の位置精度を高めるための調査・研究開発を行っているのが『解析係』です。精度が高まれば、より正確に国土の動きを捉えることができるようになり、例えば災害対策や地震調査研究にも役立てられるため、やりがいは非常に大きいです。ただし数学やプログラミングの知識を使うため、敬遠する方もいるかもしれません。でも安心してください。解析係は専門機関の講習会に参加するチャンスが多く、入省前に知識を身に付けている必要はありません。実際、僕は文系のうえ、前職は病院事務です。(←!!)

国土地理院は様々なバックグラウンドを持った人たちが働いています。新しいことを学ぶというのは大変かもしれませんが、やる気次第で、世の中の役に立つ一生ものの技術が身に付けられる環境だと思います。

写真1:サーバは家族です。優しく扱いましょう。

写真2:国土地理院構内に設置してある電子基準点「つくば1」です。あまりの大きさに、筆者が小さく見えます。

 

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【業務紹介】電子基準点現地調査

測地観測センター 電子基準点課 榊原さん

2018年8月15日公開→Facebookで見る

こんにちは。H29年度入省、測地観測センター電子基準点課電子基準点係の榊原です。電子基準点課では、電子基準点の設置、解析、維持管理、データ提供などの業務を行っています。今回は、私が出張した離島(奄美大島と喜界島)と高山(乗鞍岳)の電子基準点の現地調査について報告します。
現地調査では電子基準点に異常箇所がないか、周辺状況に変化はないかなどの調査を行います。奄美大島や喜界島は自然あふれる素敵な場所ではありましたが、樹木が繁茂していたり、海風で錆びていたりとなかなか過酷な環境のようでした。電子基準点は人工衛星が発する電波を受信しているので上空視界の確保がとても重要です。そのため、樹木によってアンテナが覆われていたところは伐採作業を行いました。初めての経験で不安でいっぱいでしたが、測手さん(測量業務を補佐するスペシャリスト)がとてもパワフルだったので、順調に作業を終えることができました。
島では台風が直撃するなど大変でしたが、一転して乗鞍岳では晴天に恵まれ、とても気持ちの良い環境で作業をすることができました。電子基準点乗鞍岳は、ソーラー発電による電力で稼働していますが、乗鞍岳山頂付近は積雪が多く、冬にはソーラー発電による電力供給が難しくなり観測が継続できないというまた違った課題があります。今回は様々な環境下にある電子基準点を調査でき、とても良い経験となりました。

奄美大島にある電子基準点「笠利」の傾斜を測量中。

電子基準点「喜界1」は樹木に囲まれていました。伐採前。

アンテナに樹木がかからないよう伐採しました。

オカヤドカリの行進を発見!(奄美大島)

電子基準点「乗鞍岳」の外観。ソーラーパネルで発電した電気で稼動しています。

現地調査作業風景。(電子基準点「乗鞍岳」)

 

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#国土地理院_業務紹介、#国土地理院_電子基準点

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【業務紹介】御前崎地区水準測量現地業務体験記

測地観測センター 衛星測地課 多田さん

2018年7月27日公開→Facebookで見る

みなさんこんにちは。測地観測センター衛星測地課の多田(H28一般職:電気電子情報区分採用)です。普段は電子基準点に関する予算や政策に関わる業務を行っているのですが、この度縁あって、標高の変動を調査するため、静岡県に水準測量(※1)に行ってきました。
実際の現場での水準測量は初めてで、機材に触れるのは採用一年目の国土交通大学校での普通測量研修(#国土地理院_研修)で習ってから約2年ぶりだったため、出張前は不安がありました。観測中は、車が頻繁に行き交う交差点や橋の上では足元が揺れているので、揺れが収まる瞬間を見計らって観測するのにとても苦労しました。しかし、現地業務を一緒に行った測手(測量業務を補佐するスペシャリスト)の力を借り、水準測量のノウハウを多々教わりながら担当の2週間分の観測を予定通り終えることができました。測量に携わる人間としてまだまだ未熟ですが、少しだけレベルアップできた気がします。そして現地業務が終わった今は、「今回の測量で得たことを活かせる現場にまた行ってみたい、次はどんな測量に行けるんだろう」と思っています。
今回の観測で得たデータは、政府の地震調査委員会や地震予知連絡会に提出され、地震に関する調査研究のための基礎資料としても使われます。自分が観測したデータがこうして活用されることも現地測量の醍醐味であり、その分非常に責任の大きい業務だと思います。
※1水準測量とは<http://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/suijun-survey.html>

観測風景

水準儀を使って観測を行っています。

手を上げて標尺担当に移動の合図をしています。

 

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【出張報告】冬だけど真夏!? 南鳥島の電子基準点保守作業

測地観測センター 電子基準点課 佐藤さん

2018年2月13日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。寒い日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?寒い時期だからこそ、寒さと無縁の南の島に想いを馳せてみませんか?
今回紹介するのは、茨城県つくば市にある国土地理院から南東に約2,000km離れた、太平洋上に浮かぶ南の島、南鳥島です。日本最東端の島として皆さんご存知かと思います。今回はそんな南鳥島で作業を行った測地観測センターの佐藤さんにお話を伺いたいと思います。佐藤さんよろしくお願いします!

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こんにちは!測地観測センター電子基準点課の佐藤(H27、一般職:物理区分採用)です。
『電子基準点』とは全国約1,300ヶ所に設置された国土地理院の施設です。 GPSや準天頂衛星(みちびき)などの測位衛星からの電波を受信し、正確な位置情報を求めることに利用されています。24時間常に正確な位置が分かるため、地震や火山活動に伴う地殻変動の監視にも役立っています。電子基準点課では『電子基準点』の運用や、位置の管理、データ提供を行っています。
太平洋上に浮かぶ南鳥島にも『電子基準点』が設置されています。過酷な環境下にあるので、通常の電子基準点と形状が異なっています(※)。南鳥島の電子基準点は全国で唯一太平洋プレート上に設置されているため、プレートの変動を観測する上でも重要です。ただ、アンテナや通信装置などの精密機器で構成されており、故障してデータが取れなくなることがあります。そうならないように、測地観測センターでは年に一度、電子基準点の点検と周辺環境の調査を行っています。今回は潮風で錆びてしまった一部機器の交換が主な作業でした。
南鳥島に行ったのは12月でしたが、本土の寒さを一発で忘れるほど暑く日差しが厳しかったことが衝撃でした。早朝に行った作業時の気温はなんと29度でした。夕方にはスコールのような雨も降り、止んだ後には見事な半円の虹が架かりおもわず写真に撮ってしまいました。うまく撮れているでしょうか?また夜は満点の星空で非常に感動しました。南十字星も見ることができます。南鳥島には常に自衛隊と気象庁職員が滞在していますが、ほんの少しの時間でしたが交流をし、島での生活について様々なことを聞けました。非常に責任の重い出張ではありますが貴重な体験ができ、自分の経験値がたまったように思います。
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佐藤さんありがとうございました! 国土地理院には南鳥島以外にも東西南北様々な場所での作業があります。これらの作業は、日本各地の位置情報の提供や地殻変動を把握する上では欠かせません。もっと詳しく話を聞いてみたいと思った方、今後各地方や茨城県つくば市の本院で今後行われる説明会に参加してみてください。あなたも島に足を踏み入れることがあるかもしれません。

・日本最南端の電子基準点「沖ノ鳥島」の保守作業

https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/1040034916069707

・【離島の作業】ほぼ未到の地に行った男~絶海の孤島で何をした?

https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/1628160067257186

・【離島の作業】~西之島での現地測量~(前編/後編)

https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/1302133519859844

https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/1311558502250679

※電子基準点についてもっと詳しく知りたくなった方はこちらをご覧ください。

http://www.gsi.go.jp/denshi/denshi_about_GEONET-CORS.html

南鳥島の全景
今回紹介する南鳥島はサンゴ礁が隆起して形成された島です。

地理院地図で見た南鳥島の位置
本土から約2000kmと大きく離れた場所に位置しています。

南鳥島日本最東端の碑
後ろには雲ひとつ無い青空と海、碑の周りにはヤシの木があり、まさに南の島ですね。

南鳥島の海岸
今にも泳ぎだしたくなりそうな風景ですが、サメが近くを泳いでおり海に入るのは大変危険です。

電子基準点「南鳥島」
ソーラーパネルを使って観測に必要な電力を賄っています。

電子基準点の機器の点検を行う佐藤さん
日差しが強い中、データがきちんと取れているか確認します。

作業途中に突然大雨!すぐに止み空に虹が架かりました。

 

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【職員紹介】測地観測センター 地殻監視課 村松さん

測地観測センター 地殻監視課 村松さん

2016年3月22日公開→Facebookで見る

こんにちは。リクサポです。本日は、「測る」分野から測地観測センター地殻監視課の村松係員から「電子基準点」に関する投稿です。

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村松(入省3年目)です。これまで、いくつかの記事で「電子基準点」という言葉が出てきました。私は、電子基準点のデータを監視する業務をしています。

私たちの頭の上には、数10機の測量用の人工衛星(GNSS衛星)が飛んでいます。電子基準点はGNSS衛星から降り注ぐ電波を受信し、データを国土地理院に送信しています。その数は約1300点、南北は沖ノ鳥島から稚内、東西は南鳥島から与那国島まで、日本の陸地を覆うように設置しています!毎日、絶え間なくデータが国土地理院まで届き、HP等を通じて測量や地殻変動監視に使用されます。電子基準点と国土地理院内の処理・解析・提供装置を合わせてGEONET(GNSS連続観測システム)と呼んでいます。

私はGEONETに流れるデータを見ながら、その異常や機器の故障を見つけ、修理する業務に携わっています。電子基準点は様々な環境に設置されているので、気象災害や機器の劣化により、観測が停止してしまうことがあります。現地に調査へ行く機会もあります!

私は学生時代より動植物が好きで、休日は山に登ったり市内の植物園で案内ボランティアをしたりしています。つくばは自然が豊かで暮らしやすいですよ。

写真(1):電子基準点「御殿場」(1993年設置)。近隣の樹木が大きくなった場合、観測の支障となるため枝を切ることが可能か交渉することもあります

写真(2):私が手に持っているのが電子基準点のアンテナです。足場を組み、アンテナを交換しています

写真(3):休日は登山(写真は霧ヶ峰)

写真(4):休日、植物園にて

 

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【出張報告】日本最南端の電子基準点「沖ノ鳥島」の保守作業

測地観測センター 地殻監視課 高松さん

2016年3月10日公開→Facebookで見る

こんにちは。測地観測センター地殻監視課の高松(入省1年目)です。昨年の今頃はまだ学生で、「来年からどの部署に配属されるのだろう」と思っていた記憶があります。

さて、みなさんは、沖ノ鳥島をご存知でしょうか?「社会の教科書で見たことがある!」という人はいても、「行ったことがある!」という人はほとんどいないと思います。沖ノ鳥島は東京から約1700 km離れたところにある日本最南端の島です。国土地理院では平成17年に電子基準点「沖ノ鳥島」を設置し、排他的経済水域の維持、地殻運動の監視に貢献しています。波風の強い過酷な環境に設置されていますので、例年、施設の整備のために渡島しています。

島への移動は船ですので、片道4~6日かかります。現地作業日も船で寝泊りするので、約2週間を船の中で過ごします。船内の生活は、日常生活とほとんど変わらない快適なものでした。ただ、船酔いはキツかったですね。しかし、船酔いに耐えてたどり着いた先には、本土では見たことがない透明な海と巨大なサンゴ礁が広がっていました。

国土地理院では離島や高山、そして南極など普段行くことができない場所にも、業務として行く機会があります。興味を持った方はぜひ説明会などに参加し、職員に直接聞いてみてください。

写真1:電子基準点「沖ノ鳥島」と私

写真2:島に設置された一等三角点「沖ノ鳥島」

 

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