ニュージーランド南島で発生した地震に伴う地殻変動(報道発表)

発表日時:2011年2月27日(日) 10時00分

 地球観測衛星「だいち」が観測した合成開口レーダー画像の分析から、2月22日にニュージーランド・クライストチャーチ付近で発生した地震に伴う地殻変動が明らかになりました。最大40cm以上の地殻変動を観測しました。 また、昨年9月の地震と今回の地震の間に、クライストチャーチ西方で地殻変動が進行していたことが判明しました。  
 
 地球観測衛星「だいち」(宇宙航空研究開発機構:JAXA)が地震前と地震後に観測した合成開口レーダー(PALSAR)画像の分析を行ったところ、2月22日にニュージーランド南島で発生した地震(M6.3)に伴う地殻変動の面的分布が明らかになりました(資料1)。  
 地殻変動はクライストチャーチ付近に集中しています。クライストチャーチの南東で、最大40cm以上の局所的に大きな地殻変動が見られます。地殻変動は、南北約30kmの範囲に及んでいます。地震を引き起こした震源断層は、震源から北側に数km延びていると推定されます。また、地震の規模の割に地殻変動量が大きいことから、震源断層は浅いと考えられます。  
 また、2010年9月11日と10月27日に観測したPALSARデータの干渉解析を行ったところ、2010年9月4日にクライストチャーチの西方約40kmで発生したカンタベリー地震(M7.0)直後の約2ヶ月間で、同地震時の変動集中域の東側、クライストチャーチの西方約20~30kmの地域で、最大4cmの食い違いを示す地殻変動があったことが判明しました。今回の地震の変動集中域は、その東延長上に位置しています(資料3)。
 なお、今後観測されるデータを用いて、引き続き分析を行う予定です。

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