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国土地理院が「JICA理事長表彰」を受賞 ~60年にわたる国際貢献が高く評価される~

発表日時:2019年10月

 国土地理院は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の事業を通じて、1959(昭和34)年から1年も欠かすことなく100カ国900名を超える途上国からの研修員を受け入れてきました。また、1964(昭和39)年からこれまでに250人以上の職員を専門家として海外に派遣してきました。
 国土地理院は、国土開発の基礎情報として不可欠である地理情報に関して、基礎から最新技術まで幅広い研修事業の実施を通じて、開発途上国の人材・組織強化に貢献してきました。こうした取組みが高く評価され「JICA理事長表彰」を受賞しました。
表彰式の写真
(写真)10月8日の表彰式において、JICA北岡理事長から黒川国土地理院長に表彰状が授与されました。
【参考:JICA理事長表彰について】
JICA理事長表彰は、毎年、国際協力事業を通じて開発途上国の人材育成や社会発展に多大な貢献をされた個人・団体に対し、その功績を讃え、表彰するもので、第15回を迎える今年度は、58個人・団体が受賞しました。

途上国からの研修員の受け入れ

 100カ国900名を超える研修員受け入れの中でも、課題別研修「国家測量事業計画・管理」コースは、国土地理院の代表的な研修として、56年間にわたり途上国における測量・地図作成事業の計画・管理を担う中核的な人材を育成してきました。同研修では、国土地理院の専門家が、各国の現状やニーズに合わせた講義・実習により研修員にきめ細かく技術指導を行い、基礎から最近の技術を含めて地図作成の実用技術を教えています。

実習の写真修了証書を受け取った写真

(写真1)国土地理院内でのGNSS測量の実習(2016年)
(写真2)「国家基準点管理の効率化と利活用コース」研修を終了し、修了証書を受け取る研修員(2018年)

各国への専門家の派遣

 国土地理院が派遣してきた250名の専門家は、具体的にはインドネシア、ギニア、ケニア等への派遣に加え、1990年代からバングラデシュで国家基準点整備や地形図作成の技術移転をしてきたほか、最近ではミャンマーで初めての電子基準点の導入に協力するなど、新技術も取り入れたアドバイス・指導を行い、現地で急増するインフラ整備に伴う地図作成のニーズに応えるべく人材育成に貢献しています。

対談の写真専門家の技術指導の写真

(写真3)ミャンマー測量局との対談(2017年)
(写真4)バングラデシュにおける、専門家の技術指導

今後の展開

 技術協力に対する相手国の要望は時代とともに変化しています。地形図の作成支援だけでなく、電子基準点網の整備など新たな技術へのニーズにも対応し、途上国への技術協力を引き続き着実に進めていきたいと考えています。また、これらの国際協力が途上国における地理空間情報活用の基盤整備につながり、我が国の企業・測量技術の海外展開にもよい影響を与えることを期待します。
国土地理院の途上国への技術協力