鼠ヶ関験潮場の潮位データの送信中断に関する今後の対応について

 令和元年6月18日22時22分に山形県沖で発生した地震の直後に、震源に最も近い鼠ヶ関験潮場において、験潮場周辺が停電(22時23分から23時54分まで)した間、潮位データのリアルタイム送信が中断しました。これは、外部電源の停電に備えた非常用の電源設備が機能しなかったことによるものです。潮位データを利用する関係者の皆さまには、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
 国土地理院では直ちにすべての験潮場の電源設備を点検するとともに、外部機関による原因調査を実施し、調査結果を踏まえた再発防止のための対策をまとめました。

1.データ送信中断に至る経緯

  • これまで目視による電源設備の点検を実施していましたが、この方法では蓄電池の劣化を把握することができませんでした。
  • 津波対策のため、蓄電池は防水性の高い密閉した収納ラックに設置しており、このことがラック内部の温度上昇を招き、蓄電池の劣化を加速することとなりました。
  • 鼠ヶ関験潮場から回収した蓄電池を外部機関で調査したところ、蓄電池は完全に劣化している状況でした。このため、地震による停電時に蓄電池によるデータ送信が行えませんでした。

2.再発防止策

 データ送信が中断した原因が蓄電池の劣化であったことから、蓄電池の状態を把握するために以下の対策を講じることとしました。今後も観測施設の維持管理を的確に実施し、観測データを確実に提供できるよう努めてまいります。

1)点検の強化
  • 2019年10月までに、蓄電池を収納したラック内の温度及び無停電電源装置の稼働状況について、中央局(つくば市)から監視できる機能をすべての験潮場に導入します。
  • 現地において、定期的(年数回)に蓄電池の電圧測定を実施して劣化状況を把握します。
2)蓄電池の更新
  • 2020年1月までに、全国の験潮場の蓄電池の更新を行います。
  • 今後は1)の点検により劣化状況を把握し、蓄電池の更新を確実に実施します。


問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
国土交通省国土地理院
測地観測センター  地殻監視課長   真野 宏邦     TEL 029-864-5971(直通)
          地殻監視課長補佐 都筑 三千夫   TEL 029-864-1569(直通)
                             FAX 029-864-8381