よくある質問と回答4-2
オフセット量とオフセット補正量
オフセット量は、(保守後の座標値)-(保守前の座標値)で求めることができます。また、オフセット量の正負を反転させたものを「オフセット補正量」と呼んでいます。この値を使って、座標時系列データ上のオフセットを補正します。
オフセットの補正方法
オフセット補正には様々な方法や考え方がありますが、ここで一例を紹介します。
保守前のデータを基準に、保守後のデータを保守前のデータに結合する方法(現在国土地理院で採用している方法)。
電子基準点によっては、複数回保守を実施した点もあります。この場合、オフセット補正量ファイルにも複数個のオフセット量が含まれています。下図をご覧下 さい。なお、この図ではオフセットの向きは常に一方向になっています。逆方向にオフセットが生じる場合はオフセット量の符号が変わります。
※図中ではオフセット量を○囲み数字([1]等)、オフセット補正量を○囲み数字と'([1]'等)で表しています。
この場合、4回の保守があり、個々のオフセット補正量([1]',[2]',[3]',[4]')がファイルに格納されています。これを使って補正する場合は、
保守1と保守2の間 →[1]'の補正量を加える。
保守2と保守3の間 →[1]'+[2]'の累積補正量を加える。
保守3と保守4の間→[1]'+[2]'+[3]'の累積補正量を加える。
保守4以降 →[1]'+[2]'+[3]'+[4]'の累積補正量を加える。
保守前のデータを基準に、保守後のデータを保守前のデータに結合する方法(現在国土地理院で採用している方法)。
電子基準点によっては、複数回保守を実施した点もあります。この場合、オフセット補正量ファイルにも複数個のオフセット量が含まれています。下図をご覧下 さい。なお、この図ではオフセットの向きは常に一方向になっています。逆方向にオフセットが生じる場合はオフセット量の符号が変わります。
※図中ではオフセット量を○囲み数字([1]等)、オフセット補正量を○囲み数字と'([1]'等)で表しています。
この場合、4回の保守があり、個々のオフセット補正量([1]',[2]',[3]',[4]')がファイルに格納されています。これを使って補正する場合は、
保守1と保守2の間 →[1]'の補正量を加える。
保守2と保守3の間 →[1]'+[2]'の累積補正量を加える。
保守3と保守4の間→[1]'+[2]'+[3]'の累積補正量を加える。
保守4以降 →[1]'+[2]'+[3]'+[4]'の累積補正量を加える。
初期オフセット補正量について
累積オフセット補正量を定義する際、累積の基準日(累積オフセット補正量が0となる時点)を決めると、補正後の座標値の意味が明確になります。
そこで、国土地理院では、基準日を2003年9月1日にとり、それ以前の全てのオフセット量(=-オフセット補正量)を累積し、データ初日以降に加えることにより、基準日において基準値(補正量0)になるようにしています。これを初期オフセット補正量といいます。
なお、地殻変動などの「変動」のみに着目する場合は、初期値は関係しませんので、初期オフセット補正量は必要ありません。
そこで、国土地理院では、基準日を2003年9月1日にとり、それ以前の全てのオフセット量(=-オフセット補正量)を累積し、データ初日以降に加えることにより、基準日において基準値(補正量0)になるようにしています。これを初期オフセット補正量といいます。
なお、地殻変動などの「変動」のみに着目する場合は、初期値は関係しませんので、初期オフセット補正量は必要ありません。
オフセット量の推定方法
アンテナ交換等の保守によるオフセットの推定は、直接的なずれの測定ではなく、基線解析によって得られた座標値のずれを求めて計算する手法を採用してい ます。具体的には交換前数日間、交換後数日間それぞれの平均値の差をオフセット量としています(そのため、解析戦略が変更された場合は、オフセット量が変 わります)。
しかし、個々の観測点の座標値は、解析の固定点(電子基準点「つくば1」)から離れるほどばらつきが大きくなるため、座標値を使ってオフセット量を推定すると、精度が低いことがあります。そこで、国土地理院では座標値そのものではなく、保守を行った点と、その近傍の電子基準点を結んで基線をつくり、保守前後のオフセット量(と符号を反転させたオフセット補正量)を求めています。このとき、周囲の1点と結んだ1基線のみでは、相手の点側の固有の変動やばらつきの影響を大きく受けるため、複数の基線から得られるオフセット量の平均値を採用します。
下の図の例では、基線1~4までの、保守前後のオフセット量(グラフの矢印の量)の平均を求めることになります。
現在国土地理院で使用しているオフセット補正量は、基本的には保守日前後1日を除く保守前10日間、保守後10日間のデータの差を使い、周囲25点からの基線のうちばらつきの少ない23基線分を平均して求めています。解析の固定点のアンテナ交換など特殊なケースについては、個別に判断の上、以上の解説とは異なる手法を適用する場合があります。
なお、国土地理院が採用するオフセット補正の推定手法やオフセット補正量は、あくまで様々な補正手法のひとつであり、目的に応じてその他の補正量の推定方法や補正方法を採用することができます。もし各自でオフセット補正量を推定される場合は、「電子基準点保守作業リスト」を参考に作成して下さい。
しかし、個々の観測点の座標値は、解析の固定点(電子基準点「つくば1」)から離れるほどばらつきが大きくなるため、座標値を使ってオフセット量を推定すると、精度が低いことがあります。そこで、国土地理院では座標値そのものではなく、保守を行った点と、その近傍の電子基準点を結んで基線をつくり、保守前後のオフセット量(と符号を反転させたオフセット補正量)を求めています。このとき、周囲の1点と結んだ1基線のみでは、相手の点側の固有の変動やばらつきの影響を大きく受けるため、複数の基線から得られるオフセット量の平均値を採用します。
下の図の例では、基線1~4までの、保守前後のオフセット量(グラフの矢印の量)の平均を求めることになります。
現在国土地理院で使用しているオフセット補正量は、基本的には保守日前後1日を除く保守前10日間、保守後10日間のデータの差を使い、周囲25点からの基線のうちばらつきの少ない23基線分を平均して求めています。解析の固定点のアンテナ交換など特殊なケースについては、個別に判断の上、以上の解説とは異なる手法を適用する場合があります。
なお、国土地理院が採用するオフセット補正の推定手法やオフセット補正量は、あくまで様々な補正手法のひとつであり、目的に応じてその他の補正量の推定方法や補正方法を採用することができます。もし各自でオフセット補正量を推定される場合は、「電子基準点保守作業リスト」を参考に作成して下さい。
注意事項
国土地理院が算出したオフセット補正量のファイルは、下記リンクからダウンロードすることができます。利用される際には、以下の事項に同意した上でお使い下さい。
- 本ファイルは地殻変動を連続的に監視する目的で作成されたものです。測量の目的で使用することはできません。
- オフセット補正量は、再計算等により予告なく変更することがあります。
- 本ファイルは、利用する時系列データの解析方法に合ったものにのみ適用できます。旧解析(F1,F2)座標値には使用できませんのでご注意ください。
- 国土地理院は、本ファイルを使用したことにより発生したいかなる損害や不利益について一切の責任を負いません。各自の責任において使用して下さい。