地形分類

地形分類について

地形分類とは

地形分類とは、地形を形態、成り立ち、性質などから分類したもので、その土地が山地か台地か、低地かまた同じ低地の中でも高燥な土地か、低湿な土地か、あるいは自然の地形を人工的にどのように改変しているかなどを、区分したものです。


主な地形分類項目
分類項目 定義
山地斜面等 山地または台地の縁などの傾斜地。
幅の狭い急斜面。
集動地形 地すべり(滑落崖) 動きの緩急は問わず、山体の一部が土塊として下方に移動して形成された地形の頭部にできた崖。
地すべり(移動体) 動きの緩急は問わず、山体の一部が土塊として下方に移動して形成された地形のうち、移動した土塊の到達範囲。
山麓堆積地形 斜面の下方、山間の谷底または谷の出口にあって、土石流や落石等によって形成された岩屑からなる緩斜面。崖錐、麓屑面、土石流堆、沖積錐などを指す。
台地の一般面 台地(更新世段丘面) 台地の平坦面のうち、更新世(約258~1万年前)に形成されたもの。
台地(完新世段丘面) 台地の平坦面のうち、完新世(約1万年前から現在)に形成されたもの。
台地(時代未区分) 台地の平坦面のうち、形成年代が特定できないもの。
低地の微高地 河川沿いの微高地 現在及び過去の河川沿いにあって、河川の洪水によって形成された微高地。自然堤防、クレバススプレー、ポイントバーなどを指す。
砂州・砂堆・砂丘 砂州・砂堆・砂丘は、現在及び過去の海岸、湖岸沿いにあって、波浪や沿岸流によって形成された砂または礫からなる微高地や、風によって運ばれた砂からなる小高い丘状の地形又は微高地。
天井川・天井川沿いの微高地 現在及び過去に、河床が周辺の土地よりも高い河川の部分と、それに沿って形成された微高地。
凹地・浅い谷 台地の平坦面上又は砂州・砂堆・砂丘上にある、周辺より相対的に低い谷状及び凹地状の地形。
低地の一般面 扇状地 河川が山地から平地に移る場所にあって、主として砂礫からなる扇状の堆積地形。
谷底平野・氾濫平野 山地や台地を刻む河川の堆積作用が及ぶ平坦地、及び河川の堆積作用により形成された広く開けた平坦地。
海岸平野・三角州 過去の浅海堆積面が海退により陸化した平坦地、及び河川の河口部にあって、主としてシルト、粘土からなる平坦地。
後背低地 河川の堆積作用が比較的及ばず、主として粘土や泥炭からなる沼沢性起源の低湿地。
旧河道 谷底平野・氾濫平野、海岸平野・三角州及び扇状地上にあって、周辺より低い帯状の凹地を成す過去の河川流路の跡。
頻水地形 高水敷・低水敷・浜 堤外地のうち、高水時に冠水する部分、及び暴浪時に冠水する海岸の岩場、砂礫地。
湿地 地下水位が地表面に対して著しく浅い土地。
水部 水部 河川、湖沼、海、貯水池などの水面。
旧水部 湖沼、海、貯水池などを盛土、埋立、干拓等により人工的に陸化したもの。
人工地形 農耕平坦化地 山地などを切り開いた農耕地。
切土地 山地、台地などの造成地のうち、切取りによる平坦地または傾斜地。
盛土地・埋立地 山地、台地、低地及び水部に土を盛って造成された平坦地または傾斜地。
干拓地 水部を干して陸地化した土地。
改変工事中の区域 データ整備時に、人工的に地形の改変が進行中の区域。

自然災害と地形分類との関係

地形と自然災害とは、密接な関係にあります。そのため地形分類の内容から、発生しやすい災害を推定することができます。

自然災害 被害を受けやすい代表的な地形分類
地震災害 液状化(※1) 盛土地・埋立地、旧河道、砂丘の縁辺部、砂丘間低地・砂州間低地
地盤崩壊(※2) 山麓堆積地形、盛土地・埋立地
洪水 土石流・斜面崩壊(※2) 山麓堆積地形、扇状地
洪水氾濫・内水氾濫(※2) 旧河道、後背低地、干拓地、海岸平野・三角州、谷底平野・氾濫平野
高潮洪水(※2) 干拓地、海岸平野・三角州、盛土地・埋立地、後背低地、砂州・砂堆

※1 リスクコミュニケーションを取るための液状化ハザードマップ作成の手引き(令和3年6月)
※2 土地条件図の数値データを使用した簡便な災害危険性評価手法(平成19年3月)

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