平成27年2月の地殻変動について

発表日時:平成27年3月9日(月)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2015年1月下旬から2015年2月下旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
 火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。


トピックス

  • 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動は、東日本の広い範囲で継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
  • 2月17日の三陸沖の地震(M6.9、最大震度4)に伴い、わずかな地殻変動が観測されました。(別紙9)
  • 豊後水道周辺において、定常的な地殻変動とは異なる変動(非定常地殻変動)が検出されました。プレート境界で地震動を伴わないゆっくりとした断層滑り(スロースリップ)が起きていると推定されます。この非定常地殻変動は2014年夏頃から始まったとみられ、現在は停滞しています。豊後水道付近では、1997年、2003年から2004年及び2009年から2010年にかけても、同じような場所でゆっくり滑り現象が発生しています。(別紙10)
  • 草津白根山周辺では、2014年春頃から見られていた湯釜付近の膨張を示す地殻変動は、11月頃から鈍化または停滞しています。(別紙12)
  • 御嶽山を挟む基線で、2014年9月上旬頃からごくわずかな伸びと9月下旬頃からごくわずかな縮みの傾向が見られ、12月までに9月上旬頃の基線長に戻っています。(別紙13)
  • 硫黄島内の「硫黄島1」及び「M硫黄島A」の隆起並びに「硫黄島2」の南向きの変動は、2015年1月中旬頃に変動速度が上がりましたが、2月上旬頃から鈍化しています。(別紙14)
  • 阿蘇山周辺では、2014年夏以降、一部の基線にわずかな伸びの傾向が見られます。(別紙15)
  • 霧島山周辺の「えびの」-「牧園」基線では2013年12月頃から伸びの傾向が見られます。(別紙16)
  • 桜島島内の基線では、2014年7月頃から停滞またはわずかな縮みの傾向が見られていましたが、2015年1月上旬頃から伸びの傾向が見られます。鹿児島(錦江)湾を挟む一部の基線で見られた長期的な伸びの傾向は、2013年6月頃からほぼ停滞していましたが、2015年1月上旬頃から伸びの傾向が見られます。(別紙17)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(2014年1月下旬から2015年1月下旬まで、別紙18)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • 長野県北部では、2014年11月22日に発生した長野県北部の地震に伴う大きな地殻変動が見られます。
    • その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

参考資料:「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」以降の地殻変動

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司 (029-864-6925)
測地観測センター      地殻監視課長    木暮 弘幸 (029-864-5971)
測地観測センター      地震調査官     宮川 康平 (029-864-4825)

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