人工衛星データを用いて硫黄島の地殻変動を詳細に把握

発表日時:2007年03月09日(水) 14時00分

 国土地理院(院長 藤本 貴也(ふじもとたかや))は、昨年8月頃から活発化している硫黄島の地殻変動について,電子基準点におけるGPS連続観測に加え,GPS繰り返し観測による地殻変動観測と陸域観測技術衛星「だいち」(宇宙航空研究開発機構:JAXA)のデータによる面的地殻変動解析を行っています。

 昨年12月27日および今年2月11日観測の「だいち」のデータを解析したところ,その期間に西海岸付近を除く大部分の地域では大きな隆起の地殻変動が発生していたことがわかりました。

 昨年6月と今年1月に島内16箇所(電子基準点2点含む)で行ったGPS観測でも同様の結果が得られており,その間の隆起量は最大46cm(つくば固定)に達しています。隆起した地域と西海岸付近の隆起が見られない地域での境界には以前から断層の存在が知られており,現地調査により今回地表に変位が生じていることも確認されました。

 国土地理院では,来月島内に新たにGPS機動連続観測点を設置し,地殻変動観測を強化することにしています。

問い合わせ先

国土地理院       〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番   029-864-1111(代表)
  地理地殻活動観測センター地殻変動研究室長  飛田 幹男   029-864-6925(直通)
                 主任研究官  矢来 博司   029-864-6156(直通)
 ・GPS機動連続観測点の設置について
            測地部 機動観測課長  根本 盛行   029-864-5977(直通)