スペースシャトルのデータでフィリピン・レイテ島の地すべり位置を推定

発表日時:2006年02月23日(木) 18時00分

 国土地理院(院長 矢口 彰(やぐちあきら))は、スペースシャトルから観測された地形データを用いて、2月17日にフィリピン中部のレイテ島で発生した地すべりの発生域周辺の地形を復元し、発生位置を推定しました。

 その結果、地すべりは、標高約800m、傾斜約47°の尾根付近から崩落し、土砂が最大で約3.5km流下したことがわかりました。

*地すべり源頭部の詳細な位置:北緯10度20分19.5秒 東経125度04分56.6秒 標高801m

 解析に用いた地形データは、2000年2月に、日本の毛利宇宙飛行士が搭乗したスペースシャトル「エンデバー」が観測したデータを、各国が協力して解析し、90mの解像度で全地球をカバーした標高データで、だれでも自由に利用することができます。

 このデータを、地理情報システム(GIS)を用いて処理し、米国太平洋軍司令部がインターネットに公開している地すべりの全景写真と同じ位置、同じ方向の鳥瞰図を作成して、地すべりの発生位置、流下方向、流下距離を推定しました。

 この地すべりに関しては、発生後、天候の影響で、人工衛星の画像などが撮影できず、発生位置がなかなか特定できませんでしたが、今回の解析により、地すべりと地形などの発生条件についての分析が可能となります。

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