9月26日午前4時50分頃の釧路沖の地震に伴う地殻変動から推定した震源断層モデルについて

発表日時:2003年09月26日(金) 19時00分

 国土地理院(院長 星埜由尚(ほしのよしひさ))は、地殻変動を監視するために全国に展開している電子基準点(GPS連続観測点)の9月26日12時までの観測データを解析し、9月26日(金)午前4時50分頃に北海道釧路沖で発生した地震(マグニチュード8.0)を発生させた断層(震源断層)の位置やすべりの大きさを求めました。

 震源断層の形状を長方形と考えて推定したところ、断層の向きは、ほぼ北西-南東方向、大きさは、長さ約86km、幅約83kmで、南東から北西に傾き下がる低角の逆断層(傾斜角22度)であることがわかりました*。上端部の深さは約20kmで、断層の北端は音別町の南約20kmに位置します。断層の位置は、余震の震源分布ともほぼ一致します。

 推定された断層運動は、北西側が南東側にのり上げる逆断層で、すべり量は約5mです。この地域では1952年にマグニチュード8の地震が発生していますが、今回の断層運動もそのときとほぼ同様のものとなっています。断層の大きさとすべりの量から推定した今回の地震のモーメントマグニチュード(Mw)**の大きさは、約8.0となりました。


* 5月26日宮城県沖の地震の震源断層モデルと比べ,断層面の面積で約16倍の大きさです。
** 地震で解放された歪みの大きさから推定した地震の規模を「モーメントマグニチュード」と言います。通常使われるマグニチュードは地震動から推定しています。

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