電子基準点(GPS連続観測点)により伊豆半島東部の地殻変動を検出

発表日時:2002年05月14日(火) 17時00分

 国土地理院(院長 星埜由尚[ほしの よしひさ])は、電子基準点(GPS連続観測点)の観測により、平成14年5月8日以来の伊豆半島東部の微小な地震活動に伴うと見られる地殻変動を検出しました。

 検出された地殻変動は、地震発生域の南や南西側に配置されている「小室山」、「伊東八幡野」、「中伊豆」などの観測点が南西方向に移動するパターンを示しています。距離変化は、最大約5mm(「初島」-「伊東八幡野」間)です。

 この地域では、過去にも繰り返し群発地震活動が発生しています。最近の活動である平成10年4月から5月にかけての活動では、「初島」と「伊東八幡野」の距離が約10cm伸びました。今回の地殻変動量はわずかですが、空間パターンは、過去の群発地震活動に伴って発生した地殻変動とよく似た傾向を示しています。

 過去の活動と同様、今回の地殻変動がシート(板)状の割れ目の開口により発生したとすると地殻変動を比較的良く説明できることがわかりました。計算された割れ目の上端の深さは約7km、水平方向および上下方向の大きさは約5kmで、向きは、ほぼ北西-南東方向で、北東から南西の方向に傾き下がり(傾斜角約 63度)、開口量は20cm程度と考えられます。今回は、変動が小さく誤差も含まれることから、計算された力源の大きさや位置は概略のものですが、その水平位置は地震の震央の分布ともよく一致しています。

 なお、この結果については、5月20日の地震予知連絡会(事務局:国土地理院)および5月23日の火山噴火予知連絡会(事務局:気象庁)に報告する予定です。

添付資料:

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