有珠山の地殻変動(6)

発表日時:2000年04月02日(日) 18時30分

臨時GPS連続観測点の設置 4月2日12時までの観測結果

 建設省国土地理院(院長 城処求行)は、全国の947地点に電子基準点を設置してGPS連続観測を行っていますが、火山活動が活発化している有珠山の山体変化を把握するため、有珠山周辺の電子基準点でGPS連続観測を行っています。
 さらに、地殻変動を詳細に調べるため、臨時のGPS連続観測点2点「長和」及び「花和」を設け、「長和」は4月1日より、「花和」は4月2日よりデータの取得を開始しました。
 「伊達」-「壮瞥」間は、3月31日に始まった有珠山北西部の噴火の約1日前から、伸びの傾向が停滞しています。また、「壮瞥」-「虻田」および「伊達」-「虻田」間は噴火の前の29日に伸びがピークに達した後、縮みの傾向を継続しています。
 この24時間に、「虻田」-「壮瞥」で約1.5cm、「伊達」-「虻田」で約0.5cmの縮みが続いており、変化が始まる前の3月27日以前からの距離変化の総量は、「伊達」-「壮瞥」の伸びは約1.5cm、「虻田」-「壮瞥」の縮みは約7cm、「伊達」-「虻田」の縮みは約6.5cmに達しています。
 また、地殻変動について広域的に見た場合、室蘭に対して有珠山周辺のGPS観測点の大きな変動が見られます。特に虻田については、約8cmの顕著な有珠山方向への水平変位ベクトルが見られます。

電子基準点(GPS連続観測点)間の距離

  1. 「伊達」~「壮瞥」 約10km
  2. 「壮瞥」~「虻田」 約11km
  3. 「伊達」~「虻田」 約12km
  4. 「壮瞥」~「長和」 約8km
  5. 「伊達」~「長和」 約4km
  6. 「虻田」~「長和」 約9km

問い合わせ先

  建設省国土地理院
   〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
    測地観測センター
      地震調査官      今給黎 哲郎  (直通)0298-64-4825
    地理地殻活動研究センター長
      小牧 和雄   (直通)0298-64-2669