第24回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(国土地理院長)

第24回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(国土地理院長)

ごあいさつ

 児童生徒の地図に関する作品展は、小・中・高等学校等の社会科教育の一環として、全国各地で開催されています。これらの作品展は、児童生徒の自主的な研究活動を通して、地図についての正しい理解や地理的思考力を高めるとともに、社会的なものの見方を育てることを目的としており、今年度は、計221校から計1,844点の応募がありました。

 国土地理院は、各地の作品展の主催団体からなる全国児童生徒地図作品展連絡協議会(「連絡協議会」)と連携し、加盟団体から推薦された作品を一堂に集め、「全国児童生徒地図優秀作品展(「全国展」)」を開催しています。第24回となる今回の全国展には、加盟10団体及び連絡協議会が認める特別参加の1団体から59点の優秀賞を受賞した作品が出展され、国土地理院の「地図と測量の科学館」、国土交通本省、科学技術館及びNHK大阪放送会館の4会場において展示しました。

 また、全国展参加団体より大臣賞候補として推薦された10作品の中から、有識者による国土交通大臣賞・文部科学大臣賞表彰作品選考会において表彰作品を選出しました。その結果、「国土交通大臣賞」を立命館小学校3年生 松井葵さんの作品「水害から街を守る下水道マップ ~雨水やコロナの手洗い水はどこへ行くの?~」に、「文部科学大臣賞」を赤穂市立城西小学校6年生 畑中彩希さんの作品「先人の貴重な文化遺産 旧赤穂上水道」に、それぞれ授与しました。さらに、審査員の評価が高かった1作品に「審査員特別賞」を、そのほかの7作品に「奨励賞」をお贈りしました。

 なお、今回は新型コロナウイルス感染拡大により、大臣賞の授与式が中止になりました。また、各地の作品展の中には中止されたところもありました。実際に作品展をご覧になれなかった方も大勢いらしたと思いますが、こちらのウェブサイトでは全作品の内容をご覧いただくことができますので、作品の魅力を少しでも感じて頂ければ幸いです。

 次世代を担う子供たちには、地域や世界の多様性を理解した上で、地理空間情報を活用して、地球規模の諸課題や防災などの地域課題に対処していく力が求められています。また、頻発する自然災害から命を守るためにも、幼少期から、地形や土地の成り立ちを理解し、ハザードマップを読み解く力を身につけることが必要です。

 このため国土地理院では地理・地図教育の推進を支援しており、全国展の開催もその取組の一つです。今後とも、教育関係者の方々とのネットワークづくりを進め、様々な取組を通じて、地理・地図教育の充実に寄与してまいります。

 最後に、今回の全国展の開催にあたり、ご協力を賜りました関係機関、関係団体の皆様に厚く御礼申し上げます。

 
 令和3年3月
  国土交通省国土地理院
    院長   野田 勝