世界測地系移行に関する質問集(Q&A)

4.国土地理院の地図系業務

(問4-1)国土地理院の地図は、どのように変更したのか。

(答)  国土地理院で作成される地図は、改正測量法の施行に伴って世界測地系に基づく地図にしました。新刊図については、経度・緯度の数値表示や経緯度分目盛(ティックマーク)の位置を世界測地系で表示しています。ただし、1/25,000地形図、1/50,000地形図及び1/200,000地勢図等については、測地基準系の変更に伴う混乱回避や調査データの継続性を考え、しばらくの間、日本測地系の経緯度を併記します。

(問4-2)国土地理院の地図は、内容が変わったのか。

(答)  図郭線数値等は変更されますが、相対的な位置関係や面積などの地図の内容は変わりません。

(問4-3)国土地理院の地図は、世界測地系と日本測地系の2種類を刊行していのか。

(答)  改正測量法の施行に伴って、世界測地系に準拠した地図のみを作成しています。 現在刊行されている地図には修正等を加えて提供し、新たに作成するときに世界測地系に準拠した地図に変更しています。したがって、しばらくの間は
 (1)従来の地図(世界測地系緯度・経度対照表を参照)
 (2)図郭線数値だけを併記した地図(新刊地図となるが内容は従来と同じ)
 (3)新刊(図郭線数値等の併記と内容に修正が加えられた地図)
 の三種類が販売されています。

(問4-4)現在所有している地図は、新しいものに取り替えてくれるのか。

(答)  取り替えることは出来ませんが、国土地理院では日本測地系による経緯度の表示が世界測地系ではどのようになったのかが判る世界測地系緯度・経度対照表を作成して提供しています。対照表は、国土地理院のホームページのほか、地図販売店で閲覧することができます。

(問4-5)世界測地系と日本測地系での地図を貼り合わせてつなぐことはできるのか。

(答)  世界測地系と日本測地系では、経度・緯度とも10秒程度の差がありますが、地形が変わるわけではないので貼り合わすことはできます。また、1/25,000地形図、1/50,000地形図及び1/200,000地勢図等については、しばらくの間、現在の図郭を継続して、世界測地系での経度・緯度の分目盛(ティックマーク)と日本測地系での経度・緯度との併記を行っています。

(問4-6)座標がずれるため、地図の接合部に空白ができるのではないか。

(答)  新刊図の作成については、世界測地系での経度・緯度を分目盛(ティックマーク)で表示しますので、この分目盛によって貼り合わせた地図には、空白が生じません。

(問4-7)日本測地系と世界測地系による地図が混在して刊行されている時期には、測量成果の複製、使用承認の扱いはどうなるのか。また、公共測量を実施する際の取り扱いはどうなるのか。

(答)  測量成果の複製・使用承認申請等が提出された場合、その時点で刊行されている最新の地図もしくは申請目的に応じた地図を利用していただくことになります。
 なお、公共測量の実施については、世界測地系に基づくよう指導・助言しています。

国土地理院の新しい地図に現行の日本測地系の経緯度線は残るのか。

(答)  2万5千分1地形図、5万分1地形図及び20万分1地勢図等には、しばらくの間、世界測地系と日本測地系の経度・緯度の値を併記します。

(問4-9)世界測地系に対応した地図一覧図はあるか。

(答)  地図一覧図は、(財)日本地図センタ-が作成し、一般に提供しています。

(問4-10)土地利用図、土地条件図等の主題図は、どのように変更しているのか。

(答)  改正測量法の施行日以降に国土地理院が刊行する主題図は、世界測地系に基づいたものとなります。既に刊行されている主題図については、国土地理院のホームページで世界測地系緯度・経度対照表を提供しています。

(問4-11)数値地図は、どのように変更しているのか。

(答)  ベクタデータである数値地図2500(空間デ-タ基盤)は、改正測量法施行後は世界測地系に基づくものを作成しています。これまで作成したデ-タは、デ-タ変換プログラムで対応していただくことになります。
 数値地図25000(地図画像)などのラスタデータは、世界測地系の経度・緯度の表示プログラムを組み込みます。また、数値地図50mメッシュ(標高)などのメッシュデ-タは、改正測量法施行後に表示プログラムを国土地理院のホームページから提供しています。