最終更新日:2020年3月13日

採用担当Facebookアーカイブス 基本図情報部

【離島の地図更新作業】

【離島の地図更新作業】~現地編~

基本図情報部 国土基本情報課 須田さん

2020年2月5日公開→Facebookで見る
こんにちは、リクサポです。
国土地理院では日本全国の地図を日々更新しています。(地図更新の記事はこちら→https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/2613922582014258
今回はその中でも、離島の地図更新作業について、現地編と図化編の2回に分けてその模様をお届けします!
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こんにちは。基本図情報部国土基本情報課の須田です。
 今回私達は、離島の地図更新作業に必要な測量を行うため、鹿児島県にある鷹島(たかしま)・津倉瀬(つくらせ)へ行ってきました。

離島で作業を行う際は当然船が必要ですが、私たちは船を所有していません。そのようなときに頼りになるのが、地元の漁師の方々です。協力していただける方とチャーター契約を行い、測量器材や私たちを島まで連れて行ってもらいます。鷹島・津倉瀬は非常に上陸が難しい島であり、なかなか瀬渡しが可能な船がみつかりませんでしたが、地元の漁協の方に紹介してもらい、船を確保することができました。計画を立てる際も上陸可能な場所や時間帯など私たちが知らないことを教えていただき、非常に心強かったです。

現地では船酔いに耐えながら片道2時間強の航海を行い、鷹島・津倉瀬へ向かいました。荷物を背負って島に飛び移り岩をよじ登っていき、作業ができる場所を見つけ、島の正確な位置座標(標定点)を測る標定点測量とドローンによる撮影を行いました。取得したデータは国土地理院に持ち帰り、地図作成の資料として活用されます。
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次回は地図作成の模様を、図化編としてお届けします。お楽しみに!

鷹島と津倉瀬は鹿児島県の西側にあります

ドローンで撮影した津倉瀬の画像です

位置座標を取得するため、測量機器を設置しています

ドローンを飛ばす前に機体チェックを行っています

最も視通がとれる島の頂上に登り、ドローンの操縦を行いました

ドローンで撮影した画像です。津倉瀬はあまり大きくはないのですが、非常に高低差のある島でした

 

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【離島の地図更新作業】~図化編~

基本図情報部 国土基本情報課 久米さん

2020年2月07日公開→Facebookで見る
こんにちは、リクサポです。
前回の現地編に引き続き、今回は離島の地図更新作業の図化編をお届けします!
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こんにちは。基本図情報部国土基本情報課の久米です。
本稿では、空中写真から地図を作る業務(図化)についてご紹介します。

みなさんは実体視をしたことはありますか?二枚の撮影位置が少しずれた写真を、それぞれ右目と左目で見ると立体的に見えるというもの(画像1)ですが、二枚の写真の正確な位置関係がわかれば、この“立体感”から正確な位置と高さを求めることができます。
写真の正確な位置関係を得るためには、写真に写っている箇所の正確な座標(標定点)を取得する必要があります。前回の記事では、この標定点を測るための測量をしていました。

さて、現地の測量ができて、写真の正確な位置関係がわかったので、写真から海岸線や等高線を取得していきましょう。これにはデジタルステレオ図化機(画像2)という、3D映画と同じ仕組みで立体的に空中写真を表示する機械を使います。立体画面の中央にある目印を等高線や海岸線の高さに設定し、目印と同じ高さに見える所をなぞることで地形を取得します。
図化機では立体感が誇張されるので、この島のような急峻な地形では目が回るくらいの立体感になりちょっと大変でしたが、なんとかデータを取得できました。

こうして取得した等高線や海岸線ですが、この島のように急峻な地形では等高線をそのまま地形図に表示すると線が重なってしまいます(画像3)。そのため、岩の記号等を使い地図として見やすい表現になるよう編集します。

見栄えの良い地形図にすべく編集をした結果、等高線は大体非表示になってしまいました(地理院地図でみる→https://maps.gsi.go.jp/#17/31.448266/129.734373/)。等高線の取得で苦労したので、できるだけ表示したかったのですが、ままならないものですね。とはいえ、このようにして、離島は修正されていきます。
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2回にわたってお届けした離島の地図更新の記事はこれで終わりです。読んでいただきありがとうございました!

実体視用の空中写真 等高線(赤線)と海岸線(水色線)を描画してあります。画像中央にある赤い十字の目印は標高10mに合わせてあるので、一番下の等高線と同じ高さに見えるはずです……

図化機で地物の取得をしている筆者

編集した等高線と海岸線(岩の記号を入れる前)

 

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【国立競技場が完成!】地図もリアルタイムに更新!

基本図情報部 国土基本情報課 石田さん

2019年12月21日公開→Facebookで見る
こんにちは。基本図情報部、国土基本情報課の石田です。
いよいよ東京オリンピック開幕まで7ヶ月あまりとなりましたね!
国を挙げて準備が進む中、今日まさに、新しい国立競技場でオープニングイベントが開催されています。それに合わせ、国土地理院では国立競技場を地図に反映させました。オリンピックのようなビッグイベントに合わせ、リアルタイムで地図を更新できることにわくわくしませんか? 国土地理院の「描く」分野に配属されると、早い段階でこのような地図更新業務に携わることもできます。
 旧国立競技場は、1956年に私たちがよく知る姿となり、2014年に閉場しました。これまでの地形図での変遷をご覧ください。近年、地図の作成がデジタル化されたことで、迅速な更新が可能になりました。また、国土地理院のサイトから基盤地図情報をダウンロードすることで、画像にあるような立体表現を個人で作成することができます。国立競技場とともに、地図も進化しています。
 地理院地図→(https://maps.gsi.go.jp/#17/35.676341/139.715624
 基盤地図情報のダウンロード→(https://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php

GISソフトとよばれるフリーソフトを用いて競技場周辺を立体化してみました

およそ50年間、地形図上で競技場が掲載されていました

閉場後、地理院地図では建設中と表示していました

今日から新しい国立競技場が地理院地図にも表示されます

 

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#東京オリンピック,#東京2020,#新国立競技場,#国立競技場

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【御即位記念地図「東京中心部」の刊行】

基本図情報部 基本図課 小西さん

2019年10月28日公開→Facebookで見る
 こんにちは。基本図情報部基本図課の小西(平成8年採用)です。
国土地理院では,天皇陛下の御即位を記念して,令和元年10月22日に行われた即位の礼(即位礼正殿の儀)に合わせ1万分1東京中心部(御即位記念地図)を刊行しました。

 この御即位記念地図は,これまでも即位礼が執り行われた場所(大正と昭和では京都御所とその周辺,平成と令和は皇居(東京)とその周辺)の地図を作成しました。今回で4回目となる御即位記念地図は,令和を迎えた御即位時の首都東京の様子を地図として記録に残すとともに,国民に周辺の地理と地図の魅力を感じてもらおうと作成しています。

 なお、10月22日に執り行われた「即位礼正殿の儀」では国内外の参列者の皆さんへ記念品として配られたと聞いています。

 さて,国土地理院ではこれまでも重要な行事の際,「紙」による記念地図を作成して提供しています。現在はWebによる地図の閲覧・利用が主流となっていますが,その時の時代の風景を記録して残すものとしては,やはり紙地図の方が味わい深く,手にしたときの喜びとともに記憶にも残るものと感じています。

 業務に従事している私たちも,地図を手に取っていただいた人に喜んで貰えるような地図づくりを心がけています。特にこのような記念地図の作成にあたっては,とても貴重な経験であり,携われたことに喜びを感じ,この経験を次の地図作成に生かし,後世に残る地図を作成していきたいと感じています。

写真1:令和の御即位記念地図(日本語版)

写真2:令和の御即位記念地図(英語版)

写真3:地形図右上の御即位記念の文字と鳳凰をかたどった刻印(平成の御即位記念地図と同じ)

 

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【新地図記号が「防災の日」にデビュー】~「自然災害伝承碑」を掲載した2万5千分1地形図を刊行開始 ~

基本図情報部 基本図課 兒玉さん

2019年10月11日公開→Facebookで見る
こんにちは。基本図情報部基本図課の兒玉(平成16年採用)です。
私の所属している基本図課は、「地図に残る仕事」ではなく実際に「地図を作る仕事」をしているところです。いろいろな地図を作っていますが、私が主に携わっている業務は2万5千分1地形図(以下、地形図)を作っています。昨今はWebによる地図の閲覧・利用が主流になりつつありますが、私の作成しているのは国土地理院で昔から作成されている紙に印刷された地形図で、全国をカバーする最大縮尺の地形図です。登山をする方にはおなじみですが、社会の授業でご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。

 その地形図に9月1日の防災の日より新地図記号「自然災害伝承碑」が掲載されるようになったのをご存じですか?この「自然災害伝承碑」とは、過去に起きた自然災害の規模や被害の情報を伝える石碑やモニュメントのことです。この碑を地形図へ掲載することにより、過去の自然災害の教訓を地域の方々に適切にお伝えし、教訓を踏まえた的確な防災行動による被害の軽減に貢献したいという国土地理院の取り組みです。 日本は災害大国と呼ばれるとおり、残念ながら毎年多くの災害が発生しています。私の作った地図が減災に役立つかもしれないと思うと身が引き締まります。

地形図を購入する機会がありましたら、「自然災害伝承碑」の記号が載っているかぜひ探してみて下さい。

図1:地形図「紀伊田辺」は9月刊行の地形図のうち最高の15個の「自然災害伝承碑」記号が掲載されています。 右下の赤矢印で示した記号は、碑文によるとお寺の前で「右からの波と左からの波が打ち合った」との記載が!

図2:「自然災害伝承碑」の記号は既存の「記念碑」をベースにしています。「記念碑」の記号に碑文を表す縦線を加えた形とし、サイズも若干大きくなっています。左:記念碑、右:自然災害伝承碑

 

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【業務紹介 国土地理院外での発表】

基本図情報部 地図情報技術開発室 澤さん

2019年3月12日公開→Facebookで見る
こんにちは、入省2年目の澤です。
私は基本図情報部 地図情報技術開発室に所属し、新しい技術が地図の更新・修正や災害対応で活用できないか検討する、研究に近いような業務を担当しています。
先日、国土交通省主催の研究会、また学会に参加し、これまでの業務について発表を行ってきました。
こうした院外での発表経験は多くないため、とても緊張しました。
ただ、質疑をとおして新たな知見を得ることができ、非常に勉強になりました。

写真1

 

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#国土地理院_業務紹介

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[業務紹介:国土地理院の災害対応]

基本図情報部 画像調査課 清水さん

2019年3月1日公開→Facebookで見る
こんにちは。平成27年採用(入省4年目)の清水です。
私の所属する基本図情報部画像調査課機動撮影係では、国土地理院が保有する測量用航空機「くにかぜ3)」による空中写真撮影を行っていますが、実はこのくにかぜ3)、年に数回緊急出動する場面があります。今回はその一例をご紹介します。
大規模な災害が発生した際、国土地理院ではくにかぜ3)による被災地の緊急撮影を行います。被災状況が一目で分かる空中写真が、復旧・復興のための基礎資料となるからです。
平成30年7月豪雨の際もくにかぜ3)は出動し、撮影士として私も機体に乗り込みました。被災地上空に到着すると、上空3,000mからでもはっきり被災箇所が分かり、被害の甚大さが説得力を持って伝わってきました。この状況を伝えるため、できるだけ被災箇所がよく分かる写真を撮ろうと、雲が少なくなるタイミングを見計らいながら作業を進めました。
今回の緊急撮影では、被災範囲が広域であったため、フライト(1フライト=約4時間)の回数が多くなり、結果として体力を使う作業となりました。ただ、撮影した写真が翌日には国土地理院ホームページに公開(https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/H30.taihuu7gou.html#1)されていたため、それらを宿泊先で確認しては、少しでも復旧・復興に役立つよう願いつつ、日々の作業の励みにしていました。自分の仕事がすぐに写真という形で公開されていくのは、責任を感じる部分ですが、同時にやりがいを感じる部分でもあります。
このように、国土地理院には平常業務以外に、災害対応という重要な業務もあります。採用されてからの年数がまだまだ短い私ですが、そんな中で昨年、災害現場の前線に立つ仕事に携わり貴重な経験となりました。

作業中の筆者(上空では高度3,000mを超え、酸素マスクを着用しています。)

当時の被災地の状況(7/9高梁川上空。手持ちのデジタル一眼レフカメラで撮影。)

 

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#国土地理院_業務紹介, #くにかぜ

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[業務紹介:空中写真の撮影]

基本図情報部 画像調査課 丸山さん

2019年2月26日公開→Facebookで見る
こんにちは、基本図情報部画像調査課の丸山(H24年採用)です。私は、くにかぜ3)(国土地理院が保有する測量用航空機)から空中写真を撮影する仕事をしています。どのような仕事をしているかは、以前の記事をご覧ください。
https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/1126978827375315 

 そして先日、宮古島周辺の空中写真撮影を実施するため、石垣島に約一週間の出張に行ってきました。宮古島は23年間も撮影できていない難関ミッションです。空中写真は、地図修正など地上の様子を判読するのに使われるため、少しでも雲が写り込んでしまうと撮り直しになります。これまで何度も宮古島を狙ってきましたが、離島は雲が湧きやすく、めったに撮影日和にならないため、歴代職員の頭を悩ませてきました。過去の出張では1週間以上飛べなかったこともあるそうです。
 今回のミッションでは新石垣空港に滞留していたので、曇りの日は新石垣空港のロビーで待機しました。(写真1)待機の時は、これまで撮影した写真の整理や、メールのチェック等の業務をしつつ、衛星画像やライブカメラを常に確認し撮影チャンスをうかがいます。
 そして、その日は10時頃から宮古島上空の雲がなくなってきたのを見計らい、撮影に向かいました。しかし、宮古島上空には衛星画像に写らない小さな雲がポコポコとありがっかりしました。(写真2)せめて雲のない範囲だけでも撮影しようと作業を進めていたところ、いつの間にか雲1つない撮影日和になっていました。雲が消えることは滅多にないそうで、機長もビックリしていました。時間を忘れるほど撮影作業に夢中になりました。(写真3)
 天候を充分に確認しても雲があるため撮影せずに引き返すこともあり、そんな日は落ち込みますが、今回のような難関ミッションがクリアできた日は達成感しかありません。撮影ができた日の夜に食べたゴーヤチャンプルは格別でした。

私たちが撮影した空中写真は「地図・空中閲覧サービス」で公開しています。
https://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do#1
(宮古島は準備中のため、公開までしばらくお待ち下さい。)

写真1
新石垣空港のロビーで待機中
ひまわりの衛星画像や気象庁HP、ライブカメラをチェックしています。

写真2
くにかぜからの景色
こんなに天気がよくても、雲があるため撮影できない(泣)
このあと、なぜか雲がなくなりました!!

写真3
空中写真撮影の作業中
高度3,000m以上の時は酸素マスクを使用します。

 

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#国土地理院_業務紹介, #くにかぜ

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【業務紹介】地名って何?(基本図情報部 地名情報課 地名情報係)

【業務紹介】地名って何?[1]

基本図情報部 地名情報課 地名情報係 田村さん

2018年11月2日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。今日は地図の地名に関する業務を紹介します。

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こんにちは、基本図情報部 地名情報課 地名情報係の田村(平成13年採用)です。
突然ですが問題です。
山名ってありますよね。筑波山とか。一番多く使われている山名ってなんでしょう?

山名もそうですが、地図(地形図)には数多くの地名が記載されています。
地名のない地図は単なる白地図で、地図の重要な役割を果たせません。
地形や建物、道路等の情報と地名とは切っても切れない関係なのです。
私の仕事は、地図に載る地名の中でも特に居住地名と自然地名のメンテナンスを行うことです。 では、地名はどのように決められているのでしょうか?
居住地名は住所に使われる町字名ですが、これは市町村が決めています。なので、市町村に聞けば居住地名の変更も分かります。
問題は自然地名です。
地形図に載っているので国土地理院が決めているのかと誤解されがちなのですが、国土地理院は地名を地図に載せるだけ。では誰が・・・
それは皆さんです!・・・ といっても??ですね。
少々長文になったので、今回はここまで。次回解説をします。

そうそう、冒頭の問題の答えは次回で。

執務の様子。問い合わせ対応も重要な業務のひとつです。

調べ物。全国の地名についての資料が保管されています。

地名「まっぷ」

 

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#国土地理院_業務紹介

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【業務紹介】地名って何?[2]

基本図情報部 地名情報課 地名情報係 田村さん

2018年11月6日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。前回に引き続き地名に関する業務を紹介します。

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こんにちは、基本図情報部 地名情報課 地名情報係の田村(平成13年採用)です。
前回の続きです。
自然地名を決めているのは皆さんです!?という変な命題で終わっていましたが、解説します。
自然地名は基本的に自然発生的なものです。
元々は誰かが名付けたのかもしれませんが、その名称が地域になじみ、代々受け継がれて定着しているのが現在の自然地名と言えます。皆さんも地域の一員のはず。そういった意味で皆さんも地名に関わっているのです。
地図に載る地名は地元でそう呼ばれているということが一番重要です。
地元のことをよく知っている代表と言えば市町村なので、我々は自然地名も市町村に聞いて収集しています。

今年の始め、宮城県と山形県にまたがる「蔵王山」の読み方が話題になりました。
この「蔵王山」、地元では「ざおうざん」と呼んでいる地域と「ざおうさん」と呼んでいる地域があります。
国土地理院では過去に確認した「ざおうざん」を使用していましたが、「ざおうさん」と呼んでいる地域で「~ざん」は違和感があるでしょう。
しかし、一部の要望だけでは「ざん」→「さん」と変えることはできません。
このときは関係する両県全ての市町から「蔵王山(ざおうざん/ざおうさん)」という申請があり、併記という形で決着しました。
このように、地名は地元に深く根付いているものなので、他人がおいそれと決めることはできないのです。

さて、前回の問題の答えですが、
多く使われている山名の1位は「城山」です。なーんだって感じですね。
ちなみに2位は「丸山」です。
あくまで国土地理院発行の地形図に載っている山名の集計ですので、あしからず。

「ざおうざん」と「ざおうさん」

登山道調査の手伝いをすることもあります。

 

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#国土地理院_業務紹介

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【業務紹介:登山道調査】屋久島

基本図情報部 国土基本情報課 増田さん・石田さん

2018年7月2日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。
今回紹介するのは屋久島の登山道調査です。世界遺産として有名な現地に向かったのはベテランと1年間の普通測量研修を終えた新人の石田&増田ペアです。初めての登山道調査に彼らは何を感じたのでしょうか。
お話を伺いましょう。

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こんにちは。H29年度入省、基本図情報部国土基本情報課の増田です。普段は小縮尺(地図情報レベル20万、100万)の地図データの整備・更新に携わっていますが、今回、地図情報レベル25000の登山道調査に行ってきました。
さて、ご存知の方もいるかとは思いますが、国土地理院では最近、ビッグデータを利用した登山道修正を行っています。
(参考:「ビッグデータで登山道を修正した地形図をはじめて公開」
http://www.gsi.go.jp/kihonjoho…/tozando-bigdata20180307.html)
今回の調査では、現在の地図と違っていると思われるところをビッグデータより予め見当をつけ、現地での確認が必要な箇所を調査しました。まず驚いたことは、登山道の変化箇所がかなり抽出できているところです。その反面、多くの登山者が通ってはいるものの、不明瞭で一般的ではないような道もあり、現地ではじめて分かるようなことも多くありました。そのような箇所を一つ一つ調べていくことは大変ではありましたが、自分の足を使って調べたことが地図に反映されると思うと調査にも熱が入りました。
ビッグデータを使った地形図修正はまだ新しい取り組みで、今後調査を重ねノウハウを蓄積していく必要があると思います。今回、その検証も兼ねた調査に協力することができてうれしく思っています。普段はデスクワーク中心ですが、国土地理院では機会があれば現地調査など様々な仕事に関わることができます。

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こんにちは。H29年度入省、基本図情報部国土基本情報課の石田です。
「よりよい地図を作るために、大自然に分け入る」
今回の登山道調査を簡単な一言にすると、これに尽きます。今回は自身でも初の屋久島上陸&本格的登山でした。ですが、調査に行けて本当に良かったです。
地図作成の手法は様々ですが、空中写真による判読が困難な登山道の更新には、現地調査が必要です。現地で作業をする前は「どんな作業をするのだろうか」という不安もありましたが、一緒に行動した大ベテランの職員が優しく教えてくれました。山中での測量作業は「体力的にきつい」というイメージがありますが、現在ではスマートフォンのような大きさの機器で調査をするので、その心配もありませんでした。
なんといっても世界遺産の屋久島。気が付くと観光気分になりそうですが、やるべき仕事はたくさんあります。現地では測量機器と地形図を照らし合わせ、地形と登山道の現況を確認します。それがなかなか難しく、コツがいります。ですが1日中登山道を歩いているうちに慣れてきて、4日目の最終日には、道と地形、さらに自分のいる位置が地図上でイメージできるようになりました。
このような経験を積める職場は他を探してもあまりないと思います。次はどこの現地調査に行くのか、日々、わくわくしています。

参考 国土地理院報道発表資料
ビッグデータの活用でより安全な登山を! ~夏山シーズンに向け日本アルプスなどの登山道を修正~ http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa61009.html

千尋滝展望台にて調査前の打合せ
今ここだよね?(地理院地図には展望台の記載がありません)

いざ出陣!

悩む

屋久杉に遭遇
目印となる場所の記録も重要

登山道調査に必要なもの
一に予察地図
二にGPS
三、四がなくて
五に体力

登山道(橋)確認
川の形状や地形を読み、地図上で橋の位置を確認

登山道確認
尾根の形状や位置関係を読み、地図上の位置を確認。
このような見晴らしの良い場所は地形の確認がしやすい上にGPSの電波も入りやすく、位置確認に最適

地形図に記載されていない登山道
どうしようかな?
(視線の先に登山道コースサインの赤テープが見えます)

案内板の記載内容も要チェック

黒味岳山頂にて羽を生やす
つかの間の休憩タイム

 

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#国土地理院_業務紹介

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【業務紹介:測量成果の点検】

基本図情報部 画像調査課 岡部さん

2018年6月21日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。
国土地理院では日々様々な測量を行い、その成果を公開していますが、みなさんの目に触れるまでには、成果に誤りがないか、多くの職員が目を光らせています。
本日は測量成果の点検に携わるベテラン職員の声をお届けします!

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「こんにちは、国土地理院基本図情報部画像調査課の岡部(平成5年採用)です。
国土地理院は、地図を自ら作成する以外にも、飛行機に搭載した観測装置で得たデータを使うものづくりをしています。
測量用のデジタルカメラで撮影された無数の空中写真をつなぎ合わせ国土を覆う画像データ、測量用のレーザで地面を照射したデータから土地の起伏を細かく表現している標高データなどが代表的な成果です。全て、この分野に長けた測量技術者が、高度な技術で生み出しています。
私は、この関係の業務が凝縮している部署で最終点検を担当しています。
国土地理院が世に送り出すものは、広く国内で使用してもらうための成果なので、責任の 重みを痛感するとともに、就職後に培った経験の全てを振り返りつつ、新しい技術を吸収しながら仕事に向きあう充実した日々をおくっています。
ものづくり現場では、最後に仕上がりを確認するのは当たり前に行われていることです。 技術に携わる者が、成果の品質をよく確認する。
国土地理院という職場で品質管理に従事する。
背筋が伸びる思いです。」

仕事中の筆者

空中写真を点検中のパソコン画面

 

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【業務+つくば紹介】~紅葉の筑波山を登ればビッグデータが貯まる?~

基本図情報部 地名情報課 水田さん

2017年12月6日公開→Facebookで見る

 筑波山(茨城県つくば市)は紅葉の真っ只中。
 本院の窓からも、澄んだ空に映える姿が見えます。
 
 そんな中、国土地理院の地形図の修正を登山者などに助けていただく日が訪れようとしています。国土地理院初の試みとなる、登山者の移動経路情報などのビッグデータを活用した地形図の修正(図1)について、実際に業務を行う地名情報課の水田課長補佐が紹介します。

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 地名情報課に所属している水田です。10月19日(木)に「地形図の修正にはじめてビッグデータを活用します。」と報道発表してから、これまで、マスコミをはじめとして予想以上の反響がありました。きっかけは、登山道調査の際に参考にしていた登山記録のサイトを見ていて、「この情報を何とか使えないものか」と漠然と思ったというささいなものでしたが、その後、とんとん拍子に進み、ビッグデータを提供いただける企業・団体が決まり、年明けからいよいよ地形図の修正に着手することになりました。

 今回のビッグデータの活用のポイントは、必ずしも精度が高くない個々の情報を大量に集めて分析することで精度の高い情報が得られるということで、登山者がスマートフォンなどで取得した大量の移動経路情報から精度の高い登山経路の取得が期待できます。ただ、ビッグデータの活用は、まだはじまったばかりです。今後、活用していきながらノウハウを蓄積し、最適な活用方法を確立していかなければならないなど課題も多くあります。来年度からは、利用者の多い、主要な山域の登山道を全国規模で更新していく予定で、ビッグデータの活用が将来どう拡大するか、どんなことができるか、想像すると今からわくわくします。

 登山者の皆様が取得した情報をもとに正確な地形図を作成・提供し、少しでも安全な登山に貢献できればと思っています。
       
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 このようなわくわくする話を聞いたからには、本院から眺めているだけではもったいない!そこで、秋の良き休日にハイキングがてら、リクサポメンバー3人でスマートフォンを片手に筑波山の登山道を歩き、移動経路情報とはどのように取得できるのか実際に試してみました(※写真に簡単なレポートもあるのでぜひご覧ください!)。
 個々の移動経路情報が蓄積されたビッグデータをもとに地形図が修正され、より正確な登山道の情報の提供を目指す、そんな新しい時代の幕開けが近づいています。

◆報道発表資料
・10月19日(木)
地形図の修正にはじめてビッグデータを活用
- 登山者の移動経路情報を提供いただける企業・団体を募集 -
http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa61006.html
・12月6日(水)
ビッグデータを活用した地形図の修正のための協力協定を締結
- 登山者の移動経路情報を提供いただける企業が決定 -
http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa61007.html

◆秋の筑波山
 つくば市のシンボルのひとつ「筑波山」は万葉集にも詠まれ、日本百名山にもなっています(百名山では最も低い標高877m)。朝夕に山肌の色を変えるところから「紫峰」とも呼ばれています。
 この時期、ふもとから頂上まで木々が色づきます。

◆「ビッグデータを活用した地形図の登山道修正」イメージ
 スマートフォンの登山用アプリ利用者の増加、インターネットの登山情報共有サービスの普及により大量の登山者が取得した移動経路情報がインターネット上で収集、公開されています。
 国土地理院は、こうしたビッグデータをもつ企業・団体から情報をいただき、地形図の修正に活用することを目指しています。

◆打ち合わせ風景
 写真左が本文でもお話をいただいた水田補佐です。普段は登山道調査のほか、地名の調査や面積計測などの業務を行っているとのことで、今回のビッグデータを活用する新たな取組に胸を膨らませています。

◆筑波山神社の紅葉
 南側の中腹には筑波山神社があります。境内の手前から、さっそく紅葉が出迎えてくれます。ここまでは車でも向かうことができますが、神社の奥から頂上へは登山道を歩くか、ケーブルカーを利用します(東側の中腹からはロープウェイも整備されています)。

◆現地レポートその1
「だいぶ登ってきたね。けどまだ半分よりは手前くらいかな。」
「これから等高線がせまくなるということは、傾斜が急になるってことだね。」 スマートフォン片手にこんな会話をしながら登山。時折、画面を確認するも、データの取得はスマートフォンに任せ、紅葉を楽しみながら登っていきます。
今回は三者三様の移動経路情報を記録するアプリを起動しましたが、写真左部分のように情報がしっかり記録されました。アプリでは今歩いているのがどこなのかチェックしたり、背景の地理院地図で等高線を読んだり、何かと便利です。

◆現地レポートその2
 ただよく見ると、それぞれ若干記録が違う!?地形図の修正は大丈夫なのか!? ――心配無用です。水田補佐より、「今回のビッグデータの活用のポイントは、必ずしも精度が高くない個々の情報を大量に集めて分析することで精度の高い情報が得られる」とのことでした。
 データも積もれば登山道になる。というわけですね。

 

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【業務紹介】「描く」仕事の紹介 ~空中写真の撮影~

基本図情報部 画像調査課 岡本さん

2016年7月3日公開→Facebookで見る

みなさん、こんにちは!リクサポです。
年度が替わって早3ヶ月。今日は、4月から業務に携わりそろそろ慣れてきた(?)岡本さんから、「描く」仕事の紹介です。

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こんにちは。基本図情報部画像調査課の岡本(入省2年目、一般職土木採用)です。
昨年1年間国土交通大学校(東京都小平市)で研修を受け、今年度からつくばの本院で働いています。

私のいる係は、空中写真の撮影が主な業務です。地理院で保有する測量用航空機「くにかぜ3)」で撮影を行っています。(以前にも一度紹介がありましたね! https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/1021111391295393
一連の業務内容は、撮影時に飛行する撮影コースを設計、写真撮影、写真の画像処理というものです。
上空では、パイロットに撮影コースを伝えたり、撮影した写真に雲が写りこんでいないかどうかをチェックしたりしています。雲が入ったコースはもう一度撮影し直します。
撮影した写真は画像処理を行い、自然な色に見えるよう調整を行っています。

空中写真は地図の作成や修整のための資料ですが、災害時は被災状況の把握をする資料にもなります。そのため発災後は早急な対応が求められます。熊本地震でも発災直後から撮影を行い、撮影した写真は土砂崩壊範囲や断層周辺の亀裂箇所の特定に用いられました。

私にとってこの業務の魅力は、現地の地形や地物を実際に空から俯瞰できることです。旅客機よりも低い高度なので、とてもはっきりと地表が見えます。これから先、通常なかなか行くことのできない全国の島しょ部の撮影業務に行くこともあるので、どのような情景が待っているのかとても楽しみです。

撮影した空中写真は地理院地図で見ることができますので、是非チェックしてみてください! (http://maps.gsi.go.jp/)

調布飛行場を飛び立つ「くにかぜ3)」

機内で作業をしている筆者(左の床に据えられている物は空中写真用カメラ)

機上から見た国土地理院(一眼レフカメラで撮影)

空中写真用カメラでの写真(熊本県内)

 

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