2. 地図が表す災害の予測

災害は何時どこで起こるか分かりません、もしかして近くに危険な箇所があるかもしれません。
減災のためには過去の災害を知ることや、土地の災害に対する脆弱性を読み取れる地図が必要です。さらに安全な避難場所の情報を盛り込んだハザードマップが減災につながります。
国土地理院は、過去の災害教訓を伝える自然災害伝承碑の情報や、各種ハザードマップの基礎資料となる防災に関する地理空間情報を表示した地図(主題図)を整備しています。
主な主題図を下記のとおり紹介します。

標高地形図



標高地形図の特徴(東京都区部の例)
 東京都区部は、西側には武蔵野台地が広がり、東側には荒川下流域の標高ゼロメートル地帯の低地(青色が濃くなるほど水面に近い高さです)が広がっていることがわかります。
 荒川下流域は、ほとんどが標高ゼロメートル以下の低地であり、高潮や洪水等の災害への備えが必要な地域であることがよくわかります。

活断層図(都市圏活断層図)


阿寺断層写真
中津川市坂下の南東上空より北西方向の阿寺断層を撮影
(1979年秋に岡田篤正氏撮影)

活断層図(都市圏活断層図)の特徴
 地震対策の基礎情報となり、内陸部の活断層、活撓曲(かつとうきょく)の詳細な位置、地形の区分などを2万5千分の1の縮尺で表示しています。

火山土地条件図

火山土地条件図(伊豆大島)の例 
伊豆大島写真
(1990(平成2)年撮影、写真提供は東京都島しょ振興公社)

火山土地条件図の特徴
  火山対策の基礎情報となり、火山活動によって形成された溶岩地形、火砕流、泥流や火山観測施設、防災関連施設などを1万5千分の1~5万分の1の縮尺で表示しています。

土地条件図

土地条件図と東北地方太平洋沖地震による液状化に伴う歩道の陥没写真
数値地図25000(土地条件)(左)(赤丸周辺は旧水部の盛土地・埋立地)と
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による液状化に伴う歩道の陥没(潮来市日の出地区)

土地条件図の特徴
 風水害、地震対策や土地利用計画・開発等に必要な土地に関する自然条件の基礎情報となり、地形分類、地盤高(1m間隔)、主な防災関係機関を2万5千分の1の縮尺で表示しています。

自然災害伝承碑

地理院地図における自然災害伝承碑の表示例、災害名や伝承内容が記載されている
地理院地図に掲載している自然災害伝承碑の表示例

自然災害伝承碑の特徴
 自然災害伝承碑とは、過去に発生した地震、津波、洪水、土砂災害、高潮、火山災害等の自然災害に関する事柄(災害の様相や被害の状況など)が記載されている石碑やモニュメントです。