最終更新日:2011年2月2日

霧島山の地殻変動(第3報)・新燃岳の溶岩ドームの規模は590m×560m

発表日時:2011年2月2日 14時00分

【霧島山の地殻変動(第3報)】

 電子基準点におけるGPS観測結果によれば、1月26日の新燃岳の噴火直後から、霧島山の山体を囲む基線の距離は、縮む傾向が継続していましたが、2月1日以降、停滞しているように見えます。

 霧島山の山体を囲む3つの電子基準点「えびの」、「牧園」、「都城2」の間のそれぞれの距離は、1月26日の新燃岳の噴火以降、縮む傾向が継続していましたが、2月1日以降、停滞しているように見えます。
 「えびの」-「牧園」基線では、2月2日現在、縮みの量が約3cmに達しています。

 なお、えびの市立加久藤小学校尾八重野分校にGPS火山変動リモート観測装置(REGMOS) の設置を開始しました。本日中には観測を開始します。

 国土地理院では、今後も電子基準点等におけるGPS観測により地殻変動の監視を続けるとともに、毎日(午前9時頃)、国土地理院のホームページ上に最新の観測結果を掲載します。

霧島山周辺の地殻変動のページ
 http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/kirishima_kisen.html

参考資料1-1 変動ベクトル図(水平)(PDF:400KB)
参考資料1-2 基線変化グラフ(PDF:930KB)
参考資料1-3 REGMOSの設置状況(PDF:393KB)

【新燃岳の溶岩ドームの規模は590m×560m】

 国土地理院は、2月1日に火口内を撮影した測量用航空機「くにかぜ3)」の合成開口レーダー(SAR)の観測画像を解析した結果から、溶岩ドームの詳細な形状と規模の把握に成功しました。溶岩ドームの規模は、最大590m×560mで、火口を覆うような形状となっています。

 国土地理院は、2月1日に測量用航空機「くにかぜ3)」に搭載した合成開口レーダー(SAR)(下図)によって新燃岳の火口内の観測を実施し、その観測画像から、溶岩ドームの形状や大きさなどの詳細な解析を実施しました。

 SARは、光学写真と異なり、レーダー波を利用して観測するため、噴煙や水蒸気の影響を受けずに溶岩ドームの形状を捉えることができます。
今回観測を実施した日時は、2月1日午後0時ごろから午後1時ごろにかけてです。

 SARの観測画像を解析した結果、溶岩ドームのサイズは最大590m×560mで、火口全体を覆うような形状となっていることが分かりました。
 また、簡易的な地形解析の結果から、溶岩ドーム頂部の標高が1350m程度である
ことが分かりました。

 この解析結果は、2月1日の報道発表内容とともに、火山噴火予知連絡会に危険性の評価などの基礎資料として提出する予定です。

参考資料2-1  観測した飛行コースと観測方向(PDF:442KB)
参考資料2-2  2月1日の新燃岳火口の航空機SAR画像及び解析結果(PDF:2.2MB)
観測の概要

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 国土交通省 国土地理院

 【霧島山の地殻変動(第3報)】
  測地観測センター 地震調査官  矢来 博司 TEL 029-864-4825(直通)
              地殻監視課長 新田 浩 TEL 029-864-5971(直通)
  (REGMOS関係)
   測地部 機動観測課長補佐 後藤 清 TEL 029-864-6278(直通)

 【新燃岳の溶岩ドームの規模は590m×560m】
  測図部 測図技術開発室長 大野 裕幸 TEL 029-864-5911(直通)
  測図部 測図技術開発室長補佐 藤村 英範 TEL 029-864-6236(直通)

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