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日本の測地系

日本での位置の基準となる測地系

  測地系とは、国またはいくつかの国からなる地域単位で採用され、測量、地図作成、土地の管理、大規模土木工事などの基準となる測地体系です。国家測量機関が地球の形と大きさ、経緯度原点、高さの基準などの定義や維持を行っています。

目次

地球上の位置を表す

  地球上の位置を緯度、経度、高さで表すには、まず始めに基準面を決めなければなりません。この決められた基準面の上で、地球上の位置は表現されます。
  では、この基準面はどのようなものが適しているでしょうか?実際の地球の形は、山や谷や海があり、基準面としては複雑すぎて実用的ではありません。そこで、できるだけ地球の形に近く、そのうえで、できるだけシンプルな形の基準面を決める必要があります。
  地球の形をもっともよく代表するモデルの一つは、ジオイドですが、ジオイドも複雑な起伏があるので基準面としては不適です。そこで、ジオイドに極めてよく似るように決められた回転楕円体を考え、地球の形を代表するものとします。これを地球楕円体と呼びます。代表的な地球楕円体は以下のとおりです。
楕円体 年代 赤道半径(m) 扁平率の逆数(1/f)
ベッセル楕円体 1841 6,377,397.155 299.152813
クラーク楕円体 1880 6,378,249.145 293.4663
ヘルマート楕円体 1907 6,378,200 298.3
ヘイフォード楕円体 1909 6,378,388 297.0
クラソフスキー楕円体 1943 6,378,245 298.3
測地基準系1980(GRS80)楕円体 1980 6,378,137 298.257222101
  地球楕円体を測量の基準にするためには、楕円体の中心を実際の地球上のどの位置に、またその楕円体の座標軸が実際の地球のどこを通るかということを決める必要があります。この位置と方向が決められた地球楕円体を準拠楕円体と呼びます。
【緯度】
 ある点の地理緯度(測地緯度)は、図のように、その点における楕円体面の法線が赤道面となす角度で表されます。赤道から北を北緯何度、南を南緯何度とそれぞれ90度まで数えます。

【経度】
 ある点の地理経度は、その点を通る子午線が、英国グリニッジを通る子午線となす角度で表されます。グリニッジ子午線を基準にして東側に東経何度、西側に西経何度とそれぞれ180度まで数えます。

【三次元直交座標系座標軸の定義】
 地球の重心に原点をおき、X軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Y軸を東経90度の方向に、そしてZ軸を北極の方向にとります。

測地系と準拠楕円体

  日本の測地系は、世界測地系(ITRF:国際地球基準座標系)に基づいています。
  測量法(昭和24年制定)施行令第2条において、日本経緯度原点は、
地点:東京都港区麻布台二丁目十八番一地内 日本経緯度原点金属標の十字の交点
原点数値
経度:東経 139度44分28秒8869
緯度:北緯 35度39分29秒1572
原点方位角※ 32度20分46秒209
※【原点方位角】日本経緯度原点において真北を基準として右回りに測定した茨城県つくば市北郷1番地内つくば超長基線電波干渉計観測点金属標の十字の交点の方位角と定められています。
  経緯度原点の位置は、VLBI、GNSS等の宇宙測地技術によって構築された世界測地系に従って地球上のどの位置にあるか決められています。
  世界測地系とは、測量法により地球を扁平な回転楕円体と想定し、次に掲げる要件を満たす測量の基準をいいます。
一 その長半径及び扁平率が、地理学的経緯度の測定に関する国際的な決定に基づき政令に定める値であるものであること。
二 その中心が、地球の重心と一致するものであること。
三 その短軸が、地球の自転軸と一致するものであること。
  以上により、日本では準拠楕円体として、ITRF座標系GRS80楕円体を採用しています。
準拠楕円体 測地基準系1980 (GRS80)楕円体
長半径 6,378,137m
扁平率 1/298.257222101

GNSS測量と座標系

GNSS測量   GNSS(Global Navigation Satellite System / 全世界的衛星測位システム)は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の測位衛星システムの総称です。GNSS測量は、地球上空を旋回するGNSS衛星から送られる電波を利用して、座標を求める高精度な測量方法です。測点に据え付けた受信機で上空からの電波を受信するだけなので、これまでのような測点間の視通の確保や天候の良し悪しに無関係です。

  GNSS測量は、3次元の高精度測量が可能となり、測量作業も軽減化・効率化が図れるため、現在、測地測量の主流になっています。

  GNSS測量で算出される座標値は、一般的にWGS-84座標系で表されています。WGS-84座標系とITRF座標系はともに地球中心の座標系です。WGS84はこれまでに数回の改定を行っていますが、その都度ITRF系に接近し現在はほとんど同一のものとして扱っても問題なく、実用上の違いはありません。

ジオイド、東京湾平均海面、水準原点

【ジオイド】

  地球の地表面は起伏が多いが、海面は地表面に比べて凹凸の少ない球に近い面を形づくっています。この面は、地球の平均的な姿と考えられます。海洋面は海流、潮汐、気象等の影響をうけて絶えず変化していますが、平均海面はなめらかな面となります。平均海面を陸地に延長したと仮定しますと、地球は連続した海洋面で覆われることになります。
  測地学では、この仮想的な静止した平均海面をジオイドと呼び、地球の形を最もよく代表するものと考えられています。ジオイドは、地球重力の等ポテンシャル面のうち平均海面に一致するものと定義できます(詳細については、ジオイド・モデルに関するページでご確認ください)。

【東京湾平均海面】

  ジオイドは全地球的な平均海面に一致するものと定義されますが、我が国の海面とどのような関係にあるのか明らかではありません。そこで、我が国では東京湾平均海面がジオイドと一致するものと考え、この面を高さの基準面としています。ここで用いる高さが標高です。

【水準原点】

  明治24年に設置されたもので、墨田川河口の霊岸島の量水標における明治6~12年の平均海面を基準とし、精密水準測量によって零分画線の標高を24.5000mと定めました。その後、大正12年の関東大震災での原点沈下を補正して24.4140mに変更し、さらに、平成23年東北地方太平洋沖地震の影響を補正して24.3900mとし、現在に至っています。

水準原点について、測量法施行令第二条には、
地点:東京都千代田区永田町一丁目一番地内 水準点標石の水晶板の零分画線の中点
原点数値:東京湾平均海面上 24.3900m
と定められています。

日本測地系と世界測地系

  2001年以前の測地基準点成果は、緯度、経度については日本測地系に基づいた数値で、準拠楕円体はベッセル楕円体でしたが、現在の測地測量成果は世界測地系(測地成果2011)と呼び、準拠楕円体はITRF座標系GRS80楕円体です。
  標高については東京湾平均海面からの高さです。標高は楕円体面からの高さではなく、ジオイド面からの高さです。

  測量や位置決定に用いられるGNSS衛星の位置情報は、一般的には地球の重心に原点をおいた WGS-84座標系 で表されますが、同じ地球重心の ITRF座標系 との違いは実用上無視することができます。
  この座標値である三次元直交座標(X、Y、Z)を、地理座標(緯度、経度、楕円体高)で表したいときは、GRS80楕円体の楕円体原子(a、f)を用いた数式で換算できます。

座標変換プログラム「TKY2JGD」

  「TKY2JGD」は、日本測地系に基づいた座標値を世界測地系(測地成果2000)に準拠した座標値に変換するためのプログラムです。パソコンにインストールしてお使いいただくアプリケーション版と国土地理院の測量計算サイトから計算していただくWeb版があります。ダウンロード版及びWeb版は以下のウェブサイトでご利用いただけます。

平面直角座標系

  地球上の点の水平位置は、厳密には準拠楕円体上の地理学的経緯度によって表されるべきですが、位置・方向・距離等を平面上に投影して測量計算を行うことは曲面上に比べ非常に簡単になり便利です。また、公共測量のように測量範囲が狭い場合には、十分正確に表すことができます。
等角投影法
  日本で用いられている平面直角座標は、ガウス・クリューゲルの等角投影法によるもので、座標原点を通る子午線は等長に、図形は等角の相似形に投影されます。しかし、距離については、原点から東西に離れるに従って平面距離が増大していくため、投影距離の誤差を相対的に1/10、000以内に収めるよう座標原点に縮尺係数(0.9999)を与え、かつ、座標原点より東西130km以内を適用範囲とした座標系を設けています。

  平面直角座標系は、現在、全国を19の座標系(表1図1)に区分されています。座標系は、地点の座標値が次の条件に従ってガウス・クリューゲルの等角投影法によって表示されるように設けられています。
  1. 座標系のX軸は、原点において子午線に一致する軸とし、真北に向う値を正とし、座標系のY軸は、座標系原点において座標系のX軸に直交する軸とし、真東に向う値を正とする。
  2. 座標系のX軸上における縮尺係数は、0.9999とする。
  3. 座標系原点の座標値は、次のとおりとする。
    X=0.000メートル  Y=0.000メートル

国家基準点の種類

【三角点】

三角点   三角点は、山の頂上付近や見晴らしのよいところに設置され、経度、緯度、標高が正確に求められています。地図の作成はもちろんのこと、道路の建設、都市の開発などの公共事業を行う際にはなくてはならないものです。
  三角点は、一等、二等、三等、四等の種類があり、全国に約10万点設置されています。

【水準点】

水準点   水準点は、全国の主な国道又は主要地方道に沿って約2kmごとに設置され、高さが正確に求められています。この水準点を利用して測量することにより、土地の高さを精密に(mm単位)に求めることができます。
  また、地殻変動、地盤沈下対策等に必要な土地の上下変動は、水準点の測量を繰り返すことにより求められます。水準点には、基準、一等、二等の種類があり、全国に約2万点設置されています。

【電子基準点】

電子基準点   電子基準点は、全国約1,300ヶ所に設置されたGNSS(Global Navigation Satellite System:全世界的衛星測位システム)連続観測点です。三角点と同様に、経度、緯度、標高が正確に求められており、基準点としてさまざまな測量やナビゲーションに利用されています。
  外観は高さ5mのステンレス製ピラーで、上部にGNSS衛星からの電波を受信するアンテナ、ピラー内部には受信機と通信用機器等が格納されています。
  受信された観測データは、国土地理院(茨城県つくば市)へリアルタイムに送信され、インターネットを通じて一般に提供されています。また、電子基準点の正確な位置を日々算出し、日本列島の地殻変動を常に監視しています。
 

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