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「2000年度平均成果」と「測地成果2011」

わが国における水準点標高の公表の経緯

基本水準点の標高を与えるための水準測量は明治16年から開始されています。第1回の全国測量の成果は、陸地測量部内の事業として行われた地図作製の他、国レベルで行う事業等に利用されたものと思われますが、一般公開の扱いではありませんでした。
昭和24年6月に測量法が制定され、公共測量の基礎となる基本測量の成果は、昭和28年から昭和38年にかけて地域毎に手計算による水準網平均計算が行われ、完了した地区毎に順次公表されました。これが第1回の公表です。

第2回の成果は、大型計算機を用いた同時網平均処理を行い、昭和37年から昭和43年に取得した水準測量データから北海道地方を除く地域について、昭和44年に「昭和44年度平均成果」として公表しました。また、北海道地方については、昭和43年から昭和47年に得た水準測量データを用い、忍路験潮場近傍の一等水準点(No6996)を1点固定し、本州地方とは独立した標高を求め、昭和47年に「昭和47年度平均成果」として公表しました。(これら2つの成果を併せて、以下では「旧成果」と呼ぶ。)
第2回の成果公表以来約30年を経過し、全国測量の繰り返し測量ごとに変動量の大きい地域を部分的に改定を図ってきたものの、広域的な地震・火山による地殻変動の影響、地盤沈下等による成果の不整合が生じてきました。これらのひずみを解消し、社会の高度化の進展に対応することを目的として改定した成果が第3回の「2000年度平均成果」です。

「2000年度平均成果」構築と特徴

「2000年度平均成果」計算に当たっては、全水準路線の最新の観測データに基づき、日本水準原点1点を固定として計算しました。また、最新の全国的に稠密な重力データが整い、これによる任意の地点の重力値を精度良く推定することが可能となったことから、これまで採用されていた正規重力式による「正規正標高補正」に換え、実測重力値を用いた「正標高補正」を採用することにし、全国の水準点成果約21,000点について成果を改定したものです。
また、「2000年度平均成果」は、測量法改正に伴う三角点等の成果と併せて2002年4月に公表しました。なお、更新成果の結果は、前述のとおり正標高を採用した他、本州、北海道及び九州地方を直接水準測量により結合し、骨格路線を全国同時網平均計算によって成果を得たことが主な特徴です。

「2000年度平均成果」と旧成果との標高比較

新旧標高比較
新旧の標高比較を右図に示しましたが、30年間の地殻変動や計算手法の違いによる標高の変化が見られます。
全国的な傾向として、日本水準原点近傍の東京周辺ではほとんど差はなく、北海道側でマイナス傾向(最大-43cm)、九州・四国側でプラス傾向(最大+35cm)となっています。これは、旧標高の計算に遡ると北海道は、本州側と分離され計算されたこと、九州・四国側は、本州側の西ブロックの計算時に、それぞれ関門・来島瀬戸ルートの路線のみで結合されていることや重力値の補正計算手法の違い等により系統的な標高差が生じたものであると考えられます。
北海道東部や東北の三陸沿岸域及び御前崎地域のマイナス傾向はプレート運動による沈みこみ、仙台、関東平野、房総、佐賀平野の顕著なマイナス傾向は、地盤沈下による沈下、伊豆半島東部の顕著なプラス傾向は群発地震をしばしばともなった地殻異常隆起によるものと思われます。

「測地成果2011」構築と特徴

平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震に伴い、大きな地殻変動が観測されました。国土地理院では、東北地方を中心に水準点1,897 点、3,660kmの現地測量を行い、その結果を基に水準点標高の計算を進め、改定値を公表しました。新しい測量成果の名称は、三角点及び水準点とも全国で「測地成果2011」に改め、基準点成果表の書式も変更しました。
当該水準点の新標高の算出にあたっては、2点固定網平均計算を行い、地震の影響を受けたが観測を実施しなかった水準点については、過去の観測データを用い、補間計算により新標高を算出しました。
また、東京周辺の電子基準点の変動などから、日本水準原点は5cm沈降したと推定されたため、油壺験潮場における地震前後の潮位観測などにより、水準原点の新しい原点数値を求め日本水準原点の高さを改正しました。実測に基づく改正量は2.4cmの沈降でした。日本水準原点の原点数値改正は、大正12 年の関東大震災の後の昭和3年に改正されて以来2度目となります。なお、改定した全国の水準点の測量成果は、今回改正された原点数値に基づき計算されたものです。
測地成果2011
左:改定成果計算における環閉合図、右:改定成果と2000年度平均成果の差

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