3 地図(数値地図)の一般的事項に関するQ&A
地図(数値地図)の一般的事項に関するQ&A
Q&A一覧
- Q3.1:地図記号(茶畑と史跡・名勝・天然記念物)の違いは何ですか?
- Q3.2:地図記号の一覧がありませんか?
- Q3.3:地図の等高線間隔はどのようになっていますか?
- Q3.4:郵便局の記号は,いつからありますか?
- Q3.5:最近,新たにできた地図記号はありますか?
- Q3.6:地図記号はいつ制定されたのでしょうか?
- Q3.7:地図記号の由来を教えてください
- Q3.8:地図記号のうつりかわり(変遷)を教えてください
- Q3.9:地図記号を使いたいのですが,許可が必要ですか?
- Q3.10:人工の山は,どのように表記されますか?
- Q3.11:地図の上方はなぜ北なのですか?
- Q3.12:海岸線は,干潮時か満潮時,いずれを表示しているのですか?
- Q3.13:地形図の高さの基準を知りたいのですが?
- Q3.14:地形図番号は何によって決められていますか?
- Q3.15:地形図からの偏角の求め方を教えてください
- Q3.16:国土地理院で刊行している地図は,どのような図法を使用していますか?
- Q3.17:2万5千分1地形図において,隣接する地形図が重複しているのはどうしてなのですか?
- Q3.18:地図の次期刊行予定を知りたいのですが?
- Q3.19:2万5千分1地形図の更新はどのくらいでされるのですか?
- Q3.20:紙地図の大きさと種類を教えてください
- Q3.21:地図の大きさが「柾判」である理由と由来は?
- Q3.22:2万5千分1地形図が変わったとのことですが,どのように変わったのですか?
- Q3.23:地形図に山の名前が表記されていません.どうしたら表記されるのでしょうか?
- Q3.24:地形図の間違えを見つけたのですが?
- Q3.25:居住地のある市(町村)全域が載っている2万5千分1地形図の図名を教えてください
A3.2
2万5千分1地形図の地図記号は,地図記号一覧(2万5千分1地形図)で閲覧することができますのでご利用ください.
2万5千分1地形図の地図記号(平成25年図式)は,表示基準[PDF形式:1.12MB]をご覧ください.
A3.3
地図の縮尺によって主曲線の間隔は次のように異なります.
- 2.5千分1 国土基本図・・・・・2m
- 5千分1 国土基本図・・・・・・・5m
- 1万分1 地形図・・・・・・・・・・・4m(平坦地は2m)
- 2.5万分1 地形図・・・・・・・・・10m
- 5万分1 地形図・・・・・・・・・・・20m
- 20万分1 地勢図・・・・・・・・・・100m
- 50万分1 地方図・・・・・・・・・・200m
なお,市街地などの平坦な所では補助曲線を表示しています.例えば,2.5万分1地形図では,5m又は2.5mごとに補助曲線を用いています.
A3.4
「郵便局」という名称の記号は明治13年図式からありますが,記号の形は「(郵便運送馬車や郵便取集車の旗の図案化したもの)」で,現行のものとは違っていました.現行の記号「〒」の形は明治42年式図式からありますが,当時は「郵便電信を兼ねる局」を表す記号として使われており,「郵便局」は別途「〒(逓信省のマーク)」で表していました.
A3.5
電子基準点(平成9年),図書館,博物館(平成14年),風車,老人ホーム(平成18年),自然災害伝承碑(令和元年)が新たに生まれました.
また,オンライン地図では,避難所等の記号が定められました.
A3.6
明治以降の日本で最初の地図記号が作られたのは,フランスの地図記号を基にしたもので,明治6年です.
地図記号の適用等を規定したものを図式といいますが,明治以降社会の変貌,地図の縮尺体系の変化等で20回以上変更され,現在に至っています.
A3.8
主なものについては,地図記号の移り変わり[PDF形式:368KB]にてご確認ください.
また,明治からの地形図図式・地図記号の変遷をまとめたものとして「地図記号のうつりかわり・地形図図式・記号の変遷」(日本地図センター,1994)があります.国立国会図書館の国立国会図書館サーチ(館内外の各種データベースを検索)で収蔵されている地方の図書館を検索出来ますので,ご活用ください.
A3.10
土砂や瓦礫等で積み上げられた,「人工の山」については,「山」の分類ではなく,土地の利用を説明する,「土地の利用景」として表記します.
具体的には,山の名称は傾斜体の文字で表記し,土地の利用景の名称は直立体の文字で表記します.
A3.11
「地図の上方が北」になった理由についての定説はありませんが,国土地理院をはじめとして,外国の政府機関が発行している地図は,ほとんどが上方を北にしています.これは,地図作りのルールというよりも,磁石を用いて測量を行っていた経緯と磁石の針が北を指すことが下地となり,上方が北の地図は北極星を利用するとき便利だからという説があります.
しかし,例外はいくつかあります.南半球のオーストラリアでは,上方が南の地図が作られたこともありますし,国土地理院でも図郭,包括する地域の大きさ,縮尺,地図用紙の規格等から10万分1の集成図(東京とその周辺,札幌とその周辺)で,やや方位を傾けたものを作成したこともあります.
この場合には,勿論,経緯線を表示するか,方位記号を表示します.
A3.14
地形図の番号は,「NJ・54・24・2・1」のように表示されている場合は,次のように定められています.
番号の内「NJ・54」は,1/100万国際図の区画(緯度差4度,経度差6度)に付した番号で,国際基準にもとづいています.
Nは北半球を表し,Jは赤道から北へ4度毎の緯度帯につけたAから始まるアルファッベット記号,54は経度180度の経線から東回り6度毎の経度帯に付けた数号を表します. 24は,1/100万国際図(NJ・54)の各辺を6等分し,緯度差40分,経度差1度(1/20万地勢図の図郭の大きさ)に36分割した1/20万地勢図の番号を表します.
2は,1/20万地勢図(NJ・54・24)の各辺を4等分し,緯度差10分,経度差15分(1/5万地形図の図郭の大きさ)に15分割した1/5万地形図の番号を表します.
1は,1/5万地形図(NJ・54・24・2)の各辺を2等分し,緯度差5分,経度差7分30秒(1/2.5万地形図の図郭の大きさ)に4分割した1/2.5万地形図の番号を表します.
A3.15
地形図の枠外に磁針偏角が表示されています.また,地理院地図の画面上部の「ツール」から「その他」>「磁北線」をクリックすると地理院地図に磁北線を重ねて表示が可能です.
地磁気値を求めるサイトで計算することもできます.
A3.16
地図の種類 | 図法 |
---|---|
1:2,500 国土基本図 | 横メルカトル図法平面直角座標系 |
1:5,000 国土基本図 | 横メルカトル図法平面直角座標系 |
1:10,000 地形図 | ユニバーサル横メルカトル図法(平面直角座標系の表示もある)[ガウス・クリューゲル図法UTM座標系] |
1:25,000 地形図 | ユニバーサル横メルカトル図法[ガウス・クリューゲル図法UTM座標系] |
1:50,000 地形図 | ユニバーサル横メルカトル図法[ガウス・クリューゲル図法UTM座標系] |
1:200,000 地勢図 | ユニバーサル横メルカトル図法[ガウス・クリューゲル図法UTM座標系]または多面体図法(一部) |
1:500,000 地方図 | 正角割円錐図法(2標準緯線) |
1:1,000,000 国際図 | 正角割円錐図法(2標準緯線) |
1:1,000,000 日本 | 正角割円錐図法(2標準緯線) |
1:3,000,000 日本とその周辺 | 斜軸正角割円錐図法(2標準線) |
1:5,000,000 日本とその周辺 | 正距方位図法(投影中心は東京) |
地理院地図(旧電子国土ポータル) | Web Mercator投影法(WGS84/GRS80の長半径を半径とした真球をメルカトル投影したもの) |
A3.17
平成14年に測量法が改正され,座標系が日本測地系から世界測地系に切り替えられました.この結果,座標が従来より東南の方向に移動することになりました.地形図を順次世界測地系に移行するため,従来の図郭のままだと空白部が生じることになるため重複部を表示しています.重複部の範囲は,経度方向については緯度により異なりますが,緯度方向については,図郭の上辺と下辺に20秒の重複部を持たせています.
A3.18
毎月15日更新の新刊地図情報をご覧ください.
上記には掲載されませんが,電子版として最新の電子国土基本図を使用した電子地形図25000及び電子地形図20万があります.
こちらは,電子国土基本図が更新され次第,適宜反映し提供しています.
詳細については,電子地形図25000及び電子地形図20万にてご確認ください.
A3.19
鉄道,高速道路等の大規模プロジェクトが完成した場合は,ただちに地形図を修正しています.他の項目についても,地域の変化にできるだけ早く対応して最新の地図を刊行できるようにしています.
刊行されている2万5千分1地形図の他に,電子版として最新の電子国土基本図を使用した電子地形図25000があります.こちらは,電子国土基本図が更新され次第,適宜反映し提供しています.
詳細については,電子地形図25000にてご確認ください.
A3.20
紙地図の大きさと種類については,次のとおりです.
なお,詳細については,刊行地図の種類と価格にてご確認ください.
規格 | 大きさ | 種類 |
---|---|---|
柾判 | 46.0×58.0cm | 2万5千分1地形図,5万分1地形図,20万分1地勢図等 |
四六半裁判 | 52.0×73.8cm | 1万分1地形図,10万分1集成図等 |
菊判 | 63.6×93.9cm | 2万5千分1集成図,5万分1集成図等 |
四六判 | 78.8×109.1cm | 50万分1地方図,100万分1日本,500万分1日本とその周辺等 |
A3.21
明治21年(1888)に「地図払い下げ規則」が定められ,地図の一般販売が認められたことから,用紙の本格的抄造が財務省印刷局(当時の印刷局抄造部)で開始されました.この地図用紙の大きさは,20万分1帝国図(現在の地勢図)で 1°と40′の経緯度を包容することを前提とし,その寸法を 58.0×46.0cm と定め,これを「柾判」と称しました.
A3.22
国土地理院では,長年にわたって親しまれてきました3色刷の2万5千分1地形図(印刷図)をおよそ50年ぶりに一新しました.
多彩な色で表現した新しいタイプの2万5千分1地形図(印刷図)は,平成25年11月1日より刊行を開始し,順次刊行範囲を全国に広げております.
詳しい情報は,新しいタイプの2万5千分1地形図(印刷図)をご覧ください.
新しいタイプの2万5千分1地形図(印刷図)の刊行状況は,日本地図センターの国土地理院刊行地図一覧図で確認できます.
A3.23
山の名称は,市区町村からの資料に基づき,主要なものをその山頂部に対して表記しています.
よって,名称を表記する山は,市区町村からの資料に記載され,かつ主要なものである必要があります.