霧島山の地殻変動

発表日時:2011年1月28日(金)14時00分

霧島山の地殻変動を確認

 

 噴火前、新燃岳火口の西北西約10km、地下約6kmのやや深いマグマ溜まりに約6百万立方メートル(東京ドーム約5杯分)、新燃岳火口直下地下約3kmの浅いマグマ溜まりに約百万立方メートル(東京ドーム約0.8杯分)のマグマの蓄積をGPS観測から推定しました。 - 国土地理院・気象庁・(独)防災科学技術研究所のGPS観測点データを統合して解析することで霧島山周辺の地殻変動状況が詳細に把握できました。 - 1月26日の噴火以降の山体収縮を示す地殻変動をGPS観測により確認しました。

概要

 霧島山周辺のGPS連続観測の結果、2009年12月ごろから山体の膨張を示すと思われるわずかな基線の伸びが観測されていました。国土地理院の電子基準点と気象庁および独立行政法人防災科学技術研究所が火山監視のために設置したGPS観測点で得られたデータを統合的に解析することで、霧島山(新燃岳)で1月26日に発生した噴火以前に、山体がどのように膨らんでいたかを示す地殻変動パターンを詳細に把握しました。
 2010年5月以降の地殻変動量に基づいて、山体の膨張の原因となった力源の位置、深さ、体積変化量などを計算した結果、新燃岳火口の西北西約10km、地下約6kmのやや深いマグマ溜まりと、新燃岳火口直下地下約3kmの浅いマグマ溜まりにマグマが蓄積したことが推定されました。この膨張に関与したマグマの量は、深い側のマグマ溜まりで約6百万立方メートル(東京ドーム約5杯分)、浅い側のマグマ溜まりで約百万立方メートル(東京ドーム約0.8杯分)と推定されました。 (別紙1)
 また噴火直後から、山体を南北にはさんだ「えびの」と「牧園」の観測点間の距離が縮む傾向で推移していることが観測されています。これは噴火後に山体が収縮していることを示している可能性があります。(別紙2)
 なお、これらの地殻変動解析結果については、2月15日に予定されている第118回火山噴火予知連絡会でも報告される予定です。

添付資料



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測地観測センター
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