平成29年度地理空間情報の活用推進に関する北陸地方産学官連絡会議「石川県分科会」を開催
平成29年度地理空間情報の活用推進に関する北陸地方産学官連絡会議「石川県分科会」を開催
平成30年1月24日(水)に「平成29年度地理空間情報の活用推進に関する北陸地方産学官連絡会議『石川県分科会』」を、石川県金沢市の「TKP金沢新幹線口会議室」において、構成員、講演者及びオブザーバーを含め26名が出席して開催しました。
石川県分科会の様子
石川県分科会の概要
石川県分科会は、座長である金沢工業大学の鹿田教授が進行役となり、地理空間情報の活用に係わる取組や活用事例等についての講演とともに地理空間情報の活用推進に係わる意見交換を行いました。
1.講演
(1)ウェブ地図 「地理院地図」 と地図データ 「地理院タイル」 の紹介
講演者:国土地理院 地理空間情報部 情報普及課 石塚麻奈
概要:地理院地図の概要及び今年度取り組んでいる改良について、また、地理院タイルのデータ形式と利活用方法、地理院地図パートナーネットワークの紹介、ベクトルタイル提供実験などについて報告されました。
講演資料:ウェブ地図 「地理院地図」 と地図データ 「地理院タイル」 の紹介
(PDF形式:2.5MB)
(2)石川県のオープンデータを使用したアプリを制作した話
-金沢工業大学 KIESプロジェクト-
講演者:金沢工業大学 電子情報通信工学科3年 村田 篤亮
概要:金沢工業大学の教育研究プロジェクトの1つである「KIESプロジェクト」で学生が開発した「プレまっぷ」(石川県が子育て世代の支援のために設けている「プレミアム・パスポート」協賛店舗を手軽に検索できるスマートフォンアプリ)の概要及びアプリ制作過程で苦労したことや今後の課題等について報告されました。
講演資料:石川県のオープンデータを使用したアプリを制作した話
-金沢工業大学 KIESプロジェクト- (PDF形式:2.1MB)
(3)市民参画型の社会課題解決
講演者:(一財)コード・フォー・カナザワ 代表理事 福島 健一郎
概要:コード・フォー・カナザワは日本で初めてのシビックテック(コードフォー)コミュニティであり、石川県内を活動拠点としていること、企業・自治体・市民が三位一体となって地域課題解決ができる社会を目指していることやコード・フォー・カナザワで制作され、全国的に利用が拡大しているゴミ出しアプリ「5374(ゴミナシ).jp」などについて報告されました。
講演資料:市民参画型の社会課題解決(PDF形式:4.2MB)
2.意見交換
- 自治体が所有する情報を「地理院地図」に登録していく共通のシステムができるとよい。
(国土地理院):指定緊急避難場所などは市町村が指定した情報を「地理院地図」から提供している。
- 地理院タイルの活用方法について、ハンズオンや勉強会などを自主的に行っても問題ないか。また、その際には情報提供や協力などを行ってほしい。
(国土地理院):自主的に実施いただくことは歓迎。ご不明な点等があればお気軽に問い合わせてほしい。
- 「地理院地図(ベクトルタイル)」における地名の音声読み上げは、ウェブアクセシビリティ(高齢者や障害者など、心身の機能に関する制約や利用環境等に関係なく、すべての人がウェブで提供される情報を利用できるようにすること:総務省HPより)に応用できる可能性を感じた。
- 道路中心線のベクトルタイルは、基盤地図情報では提供されていないが研究者にとって非常に有意義なデータであり、研究への利用が飛躍的に進むと考えている。是非提供してほしい。
- 学校教育などにおいて過去の地形等を知ることは重要である。今後はアーカイブしておくと未来の財産になるのではないか。
3.座長総括
本日の分科会では、「地理院地図」に関する意見等が出されたので、今後の参考としていただきたい。
分科会は、全体会議に比べ各県内の地元の方々からの様々な意見を聞ける場である。全体会議ではなかなか議論することができない身近な話題について議論することができ、大変有意義で実りある会議である。今後も引き続き開催していただきたい。