2021年2月13日福島県沖の地震の震源断層モデル(暫定)
作成:2021年2月22日
概要2021年2月13日に発生した福島県沖を震源とする地震について、電子基準点等のGNSS観測点で観測された地殻変動を基に震源断層モデル(矩形断層一様すべり)を推定しました。特徴は以下の通りです。
1) 北東-南西走向で南東に傾き下がる断層面上における逆断層運動が推定される(※)。 2) 推定された断層面の水平位置は、震源分布と整合している。 3) 断層の上端は、深さ約38km(断層下端:約51km)に位置する。 4) 推定されたモーメントマグニチュード(Mw)は7.1(地震モーメント:5.25×1019Nm)である。 ※ 西北西傾斜で推定された断層モデルも、南東傾斜で推定された断層モデルと同程度に地殻変動を説明する。 震源断層モデル(矩形断層一様すべりモデル)【南東傾斜で推定された震源断層モデル】
図1.南東傾斜で推定された震源断層モデル及びGNSSデータの観測値と計算値[PNG: 304KB] (上)矩形は震源断層モデルを地表に投影した位置で、太い実線が断層上端。 矢印は観測値(黒)及び計算値(白)の水平成分。 (下)傾斜方向(A-B)に射影した断層面(太線)及び震源分布(点)。傾き下がる方向を正に取っている。 ☆印は震央、点は震源分布(気象庁一元化震源を使用)。 表1. 南東傾斜で推定された震源断層モデルのパラメータ
※マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いて矩形断層1枚でモデルパラメータを推定した。 ※位置は断層の左上端を示す。( )内は誤差(1σ)を示す。 ※断層長さ:断層幅=2:1に固定して計算した。 ※Mwと断層面積がスケーリング則(地震調査委員会による震源断層を特定した地震の強震動観測手法「レシピ」)に近づくよう拘束した。 ※Mwの計算においては、剛性率を75GPaと仮定した。 【(参考)西北西傾斜で推定された震源断層モデル】
図2.西北西傾斜で推定された震源断層モデル及びGNSSデータの観測値と計算値(参考)[PNG: 305KB] (上)矩形は震源断層モデルを地表に投影した位置で、太い実線が断層上端。 矢印は観測値(黒)及び計算値(白)の水平成分。 (下)傾斜方向(A-B)に射影した断層面(太線)及び震源分布(点)。傾き下がる方向を正に取っている。 ☆印は震央、点は震源分布(気象庁一元化震源を使用)。 表2. 西北西傾斜で推定された震源断層モデルのパラメータ(参考)
※マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いて矩形断層1枚でモデルパラメータを推定した。 ※位置は断層の左上端を示す。( )内は誤差(1σ)を示す。 ※断層長さ:断層幅=2:1に固定して計算した。 ※Mwと断層面積がスケーリング則(地震調査委員会による震源断層を特定した地震の強震動観測手法「レシピ」)に近づくよう拘束した。 ※Mwの計算においては、剛性率を75GPaと仮定した。 【(参考)事後確率分布(コーナープロット)】 図3.モデルパラメータのコーナープロット(参考)[PNG: 646KB] 各パラメータ(経度、緯度、深さ、長さ、幅、走向角、傾斜角、すべり角、すべり量)間の相関関係を表す。 【地理院地図での表示】 震源断層モデル及び震源分布データのkmlファイルは下記から入手可能です。 【震源断層モデル(南東傾斜)のkmlファイル】 【震源断層モデル(西北西傾斜)のkmlファイル】 【震源分布データのkmlファイル】 ※震源分布のデータは、気象庁が大学や国立研究開発法人防災科学技術研究所等の関係機関から地震観測データの提供を受け、文部科学省と協力して整理したものです。(2021年2月13日に福島県沖で発生した地震後、同年2月14日までに起きたマグニチュード2以上の地震の震源分布データ) 地理院地図上でkmlファイルを読み込み、3Dモデルで表示すれば、推定された震源断層面(茶色矩形)を3次元で見ることができます。 地理院地図の3D機能の説明 地震概要
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