平成9年6月25日 山口・島根県境付近の地震活動

 山口・島根県県境付近で、6月25日にM6.1の地震が発生し、島根県益田市で震度5強を観測しました。この地震の震源域は、北東-南西方向に約10kmにわたって分布し、その深さは10km前後と浅いものでした。この地震は陸域の浅い地震です。地震波の解析によると、ほぼ東西方向の圧縮の力で引き起こされた右横ずれの断層運動によって地震が発生したものとされています。  この地震に伴う地殻変動をGPS連続観測が捉えました。精密暦による解析結果を水平変動ベクトル図と基線長変化グラフに示します。地震にともなって、柿木や阿東の観測点で西南西~南へ0.5~1cm程度、また萩の観測点で東へ1cm程度動くなど、右横ずれの断層運動と調和的な地殻変動が現れました。また、基線長変化グラフからは、地震発生を境にして、距離が変化している様子が分かります。これらの地殻変動は地震波の解析結果と調和的で、それを裏付けたものとなっています。  第125回地震予知連絡会(事務局:国土地理院、8月11日開催)においても、この地震活動について議論されました(地震予知連絡会ホームページへ)。気象庁の地震観測の結果などを見ることが出来ます。
水平変動ベクトル図

基線変化グラフ

※6月後半の「萩―柿木」については、欠測となっています。
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