平成9年3月 伊豆半島東方沖の群発地震活動に伴う地殻変動

 3月3日0時過ぎから伊豆半島東方沖で群発地震活動が始まり、活発な活動を続けましたが、3月半ば頃には収まりました。この活動は各種の測地測量でも捉えることが出来ました。  GPS連続観測システムは、この地震発生に伴う地殻変動のようすを連日のように捉えました。地殻水平変動ベクトル図では、今回の活動で、地面が水平方向にどのように動いたかが分かります。  熱海から河津にかけての水準測量の結果で、上下方向の地殻変動のようすが見て取れます。また、験潮場のデータから長期的な上下変動のようすをみると、伊東周辺が隆起傾向にあることが分かっています。  GPS連続観測による初島-小室山間の基線長変化グラフをみると、日ごとに変動がどのように進行したかが分かります。 そのほか、国土地理院による小室山-宇佐美間の光波測距連続観測や川奈における精密辺長測量の結果にも、この群発地震活動に伴う変化が認められています。 以上で紹介した各種の測地測量データは、地下での現象を解明する上で貴重なデータとなっています。  なお、第124回地震予知連絡会(事務局:国土地理院、5月19日開催)においても、この群発地震活動について論議されました。(地震予知連絡会ホームページへ)
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