「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」に伴う地殻変動

電子基準点(GPS連続観測点)による解析

 7月16日10時13分頃に発生した新潟県中越沖地震(M6.8、深さ約17km、最大震度6強)に伴う地殻変動を電子基準点で観測された地震後から7月22日までのデータを解析した結果、柏崎市の海岸地域の電子基準点「柏崎1」で北西方向へ約17cm、「柏崎2」で北北西方向へ約14cm、「P柏崎」で北北西へ約11cmの水平変動が認められました。上下変動としては,顕著な隆起はなく,「柏崎2」で最大の6cmの沈降が認められました。 なお、地震後の現地調査により、電子基準点「出雲崎」及び「柏崎2」で観測点の傾斜が確認されたため、傾斜量の測定をもとに補正を行っています。 また、現況調査の結果、電子基準点「出雲崎」周辺では、地面にき裂等が生じていることが確認されており、「出雲崎」の変動量には、局所的な変形による影響が含まれている可能性があります。
「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」に伴う地殻変動ベクトル図(水平)

「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」に伴う地殻変動ベクトル図(上下)

陸域観測技術衛星「だいち」合成開口レーダーによる解析

下図は、陸域観測技術衛星「だいち」合成開口レーダーデータの干渉解析結果を示しています。この図から地殻変動の詳細な面的分布を知ることができます。最も変化の大きい場所は、新潟県柏崎市椎谷(観音岬)付近であり、観測地の東側を飛行した衛星に対して、およそ25cm近づいたことが分かりました。
陸域観測技術衛星「だいち」合成開口レーダーによる解析

地殻変動等から推定したモデルについて

 地震の震源となった断層の位置やすべり量を地殻変動、余震分布、地下構造データから推定しました。地震の際に、長さ約27kmの南東傾斜の断層と長さ約10kmの北西傾斜の断層(震源域北東部)が動いたと考えられます。 主破壊域の深さは3~12kmです。南東傾斜の断層の主破壊域は震源域南部の領域に対応します。北西傾斜の断層の主破壊域は、観音岬のすぐ西方沖に位置します。
「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」 推定された主要な滑り面の概念図

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