「平成19年(2007年)能登半島地震」に伴う地殻変動

電子基準点(GPS連続観測点)による解析

 3 月25 日9時42 分頃に発生した能登半島地震(M6.9、深さ約11km、最大震度6強)に伴う地殻変動を電子基準で観測された3月27日9時までのデータで解析した結果、電子基準点「富来」(とぎ)(志賀町富来)で南西方向へ約21cmの移動と約7cmの隆起、電子基準点「穴水」(穴水町大町)で北西方向へ約12cmの移動と約2cmの隆起が認められました。
「平成19年(2007年)能登半島地震」に伴う地殻変動ベクトル図

地殻変動から推定したモデル

 この地殻変動から断層の形状を長方形と考えて推定したところ、断層の向きは、ほぼ北東-南西方向、大きさは、長さ 約21km、幅 約14kmで、北西から南東に傾き下がる右横ずれを含む逆断層(傾斜角63度)であることが分かりました。上端部の深さは約1km、すべり量は約1.7mです。これは、南東側の地塊が北西側にのり上げるような断層運動によるものと考えられ、余震の分布ともほぼ整合します。この断層運動から導かれるモーメントマグニチュード(*)は約6.7となりました。

(*モーメントマグニチュード(Mw):地震で解放されたひずみの大きさから推定した地震の規模)
「平成19年(2007年)能登半島地震」 断層モデル

「平成19年(2007年)能登半島地震」 断層モデル

「平成19年(2007年)能登半島地震」 断層モデルの概念図

陸域観測技術衛星「だいち」合成開口レーダーによる解析

陸域観測技術衛星「だいち」合成開口レーダーデータの干渉解析により地殻変動の詳細な面的分布が明らかになりました。最も隆起量の多い場所は、石川県輪島市門前町付近であり、およそ35cmの隆起が見られます。

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