平成15年7月26日 宮城県北部の地震に伴う地殻変動

電子基準点(GPS連続観測点)による解析

 7月26日(土)午前7時13分頃、宮城県北部で発生した地震(マグニチュード6.2)について、電子基準点「矢本」を含む周辺地域の地殻変動を解析した結果、27日までのデータで、電子基準点「矢本」が南東方向へ16.4cmの移動、8.5cmの隆起が認められました。

 ただし、電子基準点「矢本」については、電子基準点のピラーが地震時に0.1度程度傾いた(※)ことが確認されており、地殻変動だけでなく別の要因による局所的な地盤の変形の影響が含まれている可能性があります。このため、国土地理院では緊急に現地の地形調査、周辺の水準測量やGPS測量を行い、より詳細に地殻変動を解明することとしています。

 (※) 水平方向の移動量約1cmに相当
平成15年7月26日 宮城県北部の地震 水平変動ベクトル図

平成15年7月26日 宮城県北部の地震 上下変動ベクトル図

地殻変動から推定した震源断層モデルについて

 電子基準点(GPS連続観測点)の7月26日15時までの観測データを解析し、2003(平成15)年7月26日(土)7時13分頃に宮城県北部で発生した地震(マグニチュード6.2)の断層(震源断層)の位置やすべりの大きさを求めました。

 震源断層の形状を長方形と仮定して推定したところ、向きはほぼ北北東-南南西方向、大きさは水平方向約14km、上下方向約5kmで、西から東の方向に傾き下がる断層(傾斜角約40度)であることがわかりました。上端部の深さは約4kmで、断層の北端は遠田郡涌谷町付近の地下に位置します。断層の位置は、余震の震源分布ともほぼ一致します。

 推定された断層運動は逆断層(すべり角約70度)で、すべり量は約0.8mです。今回の地震は本年5月26日の宮城県沖の地震とは異なり、陸側のプレート内部の浅い所で生じたものです。断層の大きさとすべり量から推定したモーメントマグニチュード(Mw)の大きさは、約6.2となりました。
平成15年7月26日 宮城県北部の地震の断層モデル

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