方位磁石の指す北は動き続けています

―日本の地磁気分布を表した図を5年ぶりに更新―

発表日時:2022年2月2日(水) 14時00分

本日、最新の地磁気の地理的分布を表した「磁気図2020.0年値」を公表しました。この磁気図には、方位磁石の北と本当の北とのずれの角度の情報が含まれており、登山などの際に方位磁石から本当の北を得るために必須な情報になります。

「地図の北」と「方位磁石の北」のずれ(イメージ)

 地球は磁石の性質をもっているため、私たちは方位磁石を使って方角を知ることができます。しかし、方位磁石の北と地図の北(本当の北)はずれており、そのずれの角度を偏角(へんかく)といいます。偏角は場所や時間によって変わり、このことは、地球内部で発生している磁気が地球規模で複雑に分布していること、磁気が刻々と変化していることによるものです。

 この50年間の偏角の変化は、例えば東京では西へ6度20分から7度40分と西へ1度20分ほどずれが大きくなっています。かつて、伊能忠敬が全国の測量を開始した1800年頃は方位磁石と地図の北はほぼ一致していました。また、チバニアンで代表されるように数百万年の間に地球の磁気が南北逆転(偏角が180度変化)した時期が何度もあること、磁北極の動きが速くなっていることなど、変化が激しいのが特徴です。

 今回公表した「磁気図2020.0年値」は、2020年1月1日時点における最新の情報です。こうした情報は、国土地理院の地形図にも記載され、登山者などが方位磁石で地図の北に合わせられるようになっています。

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