中国・四国・九州地方の電子基準点標高成果をより高精度な値に改定

発表日時:平成25年6月24日(月)14時00分

 国土地理院は、平成25年7月1日から、中国・四国・九州地方(一部離島を除く)の電子基準点及び付属標の標高成果を水準測量の結果等に基づく値に改定するとともに、成果表の高さの情報としてGNSS測量に直接利用できる楕円体高を提供していきます。これにより、測量業務のさらなる効率化が期待されます。

1.中国・四国・九州地方における電子基準点の標高成果の改定

 国土地理院では、電子基準点に設置した付属標に高精度な標高値を与えるため、近傍の水準点から付属標に直接水準測量による取り付け測量を行い、電子基準点(二等水準点)として成果を公開しています。また、付属標から電子基準点本点のアンテナ底面までの比高(オフセット量)についても、随時観測を進めてきました。今回、中国・四国・九州地方(一部離島を除く)で取り付け測量及びオフセット量の観測を終えた195点の電子基準点の標高成果について、付属標の標高にオフセット量を加えた値に改定します。
 付属標への取り付け測量を行っていない127点の電子基準点については、平成25年4月26日に公表された同地域のジオイド・モデル(「日本のジオイド2011+2000」)を利用し、「GNSS測量による標高の測量マニュアル(案)」に準じて本点の標高値を計算しています。また、付属標についても新たに三等水準点相当精度の標高値を計算し、電子基準点(三等水準点)として標高成果を公表します。今後、この付属標は公共測量の3級水準測量等の既知点としても利用可能となりますので、より広範囲な測量の基準として活用していただけるものと期待しています。
 「日本のジオイド2011+2000」でジオイド・モデルが改定されていない島嶼部の電子基準点は今回の改定には含まれておりません。また、電子基準点の楕円体高についても、今回の標高改定に伴う変更はありません。今回改定しない地域の電子基準点の標高については、今後、ジオイド・モデルが改定された段階で改定する予定です。
 改定した測量成果は、国土地理院本院及び関東、中国、四国、九州の各地方測量部で平成25年7月1日から閲覧及び謄本(抄本)の交付を開始します。また、国土地理院ウェブサイトの基準点成果等閲覧サービスのページからもご覧いただけます。

2.成果表で提供する高さの情報について

 これまで、成果表では高さの情報として標高とジオイド高を提供しておりましたが、今後は標高と楕円体高を提供していきます。これにより、GNSS測量を実施する際に必要となる電子基準点の楕円体高を、成果表から直接与えていただけるようになります。
 現在、この変更を反映するため、基準点成果等閲覧サービスの改修を進めております。7月1日から改修が終わるまでの期間、今回改定する電子基準点本点及び付属標の楕円体高を以下の国土地理院ウェブサイトで提供いたします。

添付資料

問い合わせ先

国土地理院本院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
  測地観測センター
    地殻監視課長    飯塚 豊久  TEL 029-864-5971(直通)
    地殻監視課長補佐  矢萩 智裕  TEL 029-864-1569(直通)
                     FAX 029-864-8381
地方測量部
  中国地方測量部 〒730-0012 広島県広島市中区上八丁堀6-30 広島合同庁舎2号館
    次長        佐藤 敏朗  TEL 082-221-9729(直通)
    測量課長      岩田 昭雄  TEL 082-221-9735(直通)
                     FAX 082-221-4950
  四国地方測量部 〒760-0068 香川県高松市松島町1-17-33 高松第2地方合同庁舎
    防災情報管理官   千葉 浩三  TEL 087-861-9013(代表)
    測量課長      松田 雅志  TEL 087-861-9013(代表)
                     FAX 087-837-3493
  九州地方測量部 〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東2-11-1 福岡合同庁舎
    次長        渡辺 信之  TEL 092-411-7902(直通)
    測量課長      木村 勲   TEL 092-411-7910(直通)
                     FAX 092-411-7882

用語解説

  • 付属標
  • 水準測量等の基準として利用できるよう、電子基準点のアンテナ架台の基礎に設置している金属標
  • 二等水準点
  • 公共測量の2~4級水準測量及び簡易水準測量の既知点として利用できる水準点
  • 三等水準点
  • 公共測量の3~4級水準測量及び簡易水準測量の既知点として利用できる水準点
  • 電子基準点のアンテナ底面
  • 電子基準点本点の高さの基準面
  • 楕円体高
  • 地球の形として最も良くあう回転楕円体(地球楕円体)の表面から法線に沿った対象までの幾何的な高さ
  • GNSS
  • 地球を周回する人工衛星からの信号を用いて位置を決定する衛星測位システムの総称。米国の運用するGPS、日本の準天頂衛星、ロシアのGLONASS(グロナス)、欧州連合のGalileo(ガリレオ)、中国の北斗等がある。
  • GNSS測量による標高の測量
  • GNSS測量結果と高精度なジオイド・モデルにより水準点の標高を定める測量

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