平成29年6月の地殻変動について

発表日時:2017年7月10日(月)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2017年5月下旬から2017年6月下旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
 火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。

トピックス

  • 6月25日に発生した長野県南部の地震(M5.6、最大震度5強)に伴い、小さな地殻変動が観測されました。(別紙8)
  • 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙9)
  • 浅間山周辺では、浅間山を南北に挟む基線で2016年秋頃から見られていた小さな伸びはほぼ停止しています。(別紙10)
  • 御嶽山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙11)
  • 硫黄島の「硫黄島1」及び「M硫黄島A」の隆起が続いています。「硫黄島2」は、南向きの変動が継続しています。(別紙12)
  • 霧島山周辺では、GNSS観測からは顕著な地殻変動は観測されていません。だいち2号による干渉SARによると、硫黄山付近で局所的な地殻変動が見られます。(別紙13)
  • 桜島島内の「桜島」-「鹿児島2」の基線で伸びと「桜島」の隆起が継続しています。鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「垂水」、「鹿児島福山」-「隼人」等の基線で伸びが継続しています。(別紙14)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(2016年6月下旬から2017年6月下旬まで、別紙16)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 東北では、2016年11月22日の福島県沖の地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 東北及び関東では、2016年12月28日の茨城県北部の地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 中国では、2016年10月21日に発生した鳥取県中部の地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 九州では、平成28年(2016年)熊本地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

別紙一覧

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司    (029-864-6925)
測地観測センター      地殻監視課長    丸山 一司    (029-864-5971)
測地観測センター      地震調査官     宮川 康平    (029-864-4825)
                               FAX 029-864-8381

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