平成24年6月の地殻変動について
発表日時:平成24年7月9日(月)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGNSS連続観測網の観測結果から求めた2012年5月下旬から2012年6月下旬の1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
この期間に発生した地震に伴う地殻変動は見られませんでしたが、火山周辺では、硫黄島内及び桜島周辺で地殻変動が見られます。
トピックス
- 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動が東日本の広い範囲で継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
- 硫黄島内の「硫黄島1」、「M硫黄島」では4月27日から28日にかけて、通常より大きな隆起を観測しました。その後は沈降を観測しましたが、その傾向は鈍化し、現在はほぼ停滞しています。両点では、2010年5月以降隆起の傾向が見られ、2011年1月末頃から隆起速度が増加しましたが、同年12月下旬頃から隆起傾向はやや鈍化していました。「硫黄島2」では南向きの変動が見られます。(別紙9)
- 霧島山周辺では、「えびの」-「牧園」、「牧園」-「都城2」 、「都城2」-「えびの」の基線で、2011年2月から2011年11月頃まで伸びの傾向が見られていましたが、同年12月初め頃から伸びの傾向が鈍化しました。2012年1月以降はほぼ停滞していましたが、「えびの」-「牧園」基線では5月頃からわずかに縮みの傾向が見られます。(別紙10)
- 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で、長期的な伸びの傾向が見られます。桜島島内の「鹿児島2」-「桜島」、「鹿児島3」-「桜島」基線では、2010年初め頃から見られた伸びの傾向が同年7月頃から鈍化し、「鹿児島3」-「桜島」では2011年10月頃までわずかに縮みの傾向が見られていましたが、同年11月頃からは島内の全ての基線で再び伸びの傾向が見られます。(別紙11)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2011年6月下旬から2012年6月下旬まで、別紙12)からは、以下のような傾向が見られます。
- 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
- その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 測地観測センター 地殻監視課長 飯塚 豊久 (029-864-5971) 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 畑中 雄樹 (029-864-6925) 測地観測センター 地震調査官 宮川 康平 (029-864-4825)