平成23年7月の地殻変動について

発表日時:平成23年8月4日(木)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGPS連続観測網の観測結果から求めた平成23年6月下旬から平成23年7月下旬の1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
 この期間に発生した地震のうち、7月10日の三陸沖の地震に伴うごくわずかな地殻変動が見られます。

トピックス

  • 3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動が東日本の広い範囲で継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
  • 7月10日9時57分頃に発生した三陸沖の地震(M7.3、最大震度4)に伴うごくわずかな地殻変動が見られます。(別紙9)
  • 硫黄島内の電子基準点「硫黄島1」、GPS機動連続観測点「M硫黄島」では、2010年5月以降隆起の傾向が見られ、2010年11月中旬頃から12月にかけて一時鈍化しましたが、2011年1月末頃から隆起速度が増加しました。電子基準点「硫黄島2」では大きな南向きの地殻変動が見られます。(別紙10)
  • 霧島山周辺では、「えびの」-「牧園」、「牧園」-「都城2」、「都城2」-「えびの」の基線において、新燃岳で1月26日に噴火が発生して以降、2月1日まで顕著な縮みの傾向が見られましたが、2月以降伸びの傾向が見られます。(別紙11)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で、長期的な伸びの傾向が見られます。桜島島内の「鹿児島2」-「桜島」、「鹿児島3」-「桜島」基線では、2010年初め頃から伸びの傾向が見られていましたが、その傾向が2010年7月頃から鈍化し、「鹿児島3」-「桜島」ではわずかに縮みの傾向が見られます。(別紙12)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(平成22年7月下旬から平成23年7月下旬まで、別紙13)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 硫黄島の変動ベクトルは、島内の地殻変動を表しています。

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  飛田 幹男 (029-864-6925)
測地観測センター      地殻監視課長    吉池 健  (029-864-5971)
測地観測センター      地震調査官     矢来 博司 (029-864-4825)

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