平成23年(2011年)6月23日06時51分頃の岩手県沖を震源とする地震に伴う地殻変動について

発表日時:平成23年6月24日(金)16時00分

概要

 6月23日に発生した岩手県沖を震源とする地震(M6.7、最大震度5弱)に伴う地殻変動を電子基準点で検出しました。

 6月23日6時51分頃に発生した岩手県沖を震源とする地震(M6.7、深さ約20km、最大震度5弱)に伴う地殻変動が、岩手県沿岸部やその周辺に設置されている電子基準点(GPS連続観測点)で検出されました。

 地殻変動観測施設「S普代」(岩手県下閉伊郡普代村)で東方向に約2cm、電子基準点「岩泉1」(下閉伊郡岩泉町)で東方向に約1cmなどの水平変動が見られています(資料1)。なお、上下方向についてはデータのばらつき具合に比べて有意な地殻変動は見られておりません(資料2)。
 一般にGPSによる地殻変動観測は電離層や大気の状態等が誤差要因となりますが、水平方向については全方位(360度)のGPS衛星の観測データを平均することにより誤差を軽減できるのに対して、上下方向は上空方向のGPS衛星の観測データしか使えないために水平方向に比べて誤差が大きくなります。従って、資料2のグラフでも上下方向のばらつきが大きくなっています。
 なお、観測された水平変動は、今回の地震の発震機構が「東西方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)」(気象庁発表)とする考え方と整合的です。

 国土地理院では、今後も電子基準点を用いて詳細な地殻変動の監視を続けていきます。

添付資料

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
国土交通省国土地理院
測地観測センター  地震調査官   矢来 博司  TEL 029-864-4825(直通)
          地殻監視課長  吉池 健   TEL 029-864-5971(直通)

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